2013 Fiscal Year Research-status Report
母体血清マーカー検査で陰性と判定された妊婦の不安に関する研究
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24792527
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
美甘 祥子 畿央大学, 健康科学部, 講師 (10613804)
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Keywords | 出生前診断 / 母体血清マーカー検査 / NIPT / 妊婦 / 不安 / 胎児感情 / 知識 |
Research Abstract |
母体血清マーカー検査を受検する妊婦は、もともと不安が強いと予測され、結果が陰性でも何らかのフォローを行う必要がある。そこで、母体血清マーカー検査で陰性と判定された妊婦が、妊娠中や産後に、児に対してどのような不安や対児感情を抱いているかを明らかにすることを目的とし、「母体血清マーカー検査後の妊婦の不安に関する研究」として質問紙調査および面接調査を行なった。協力の得られた2施設で出産した12名の褥婦(母体血清マーカー検査を受け結果が陰性であった、妊娠・分娩・産褥経過と新生児の経過に問題がない、今回の妊娠中に羊水染色体検査を受けていない)に調査を行なった。得られたデータに偏りがあったことから、さらに対象者を増やし、再度分析を行なう予定である。 また、無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)が平成25年4月より開始された。NIPTも、母体血を用い胎児の染色体疾患の可能性を判定する非確定的検査であることから、妊婦の心理面への影響が懸念される。妊娠中の女性がNIPTに関してどのような知識や意識を持っているかを明らかにすることを目的に、「新しい出生前検査に対する妊婦の意識調査」として質問紙調査を行った。有効回答は557人であった。結果は、NIPTについて「良く知っている・聞いたことがある」は8割で、具体的な知識の認知度は3割に満たなかった。NIPTを日本で行うことに「賛成・条件付きで賛成」は9割、NIPTの対象には「検査を希望する妊婦全て」が7割、「NIPTを受けてみたい」は2割と、NIPTに関して多くの妊婦が肯定的な考えを持っていることが明らかとなった。安易な考えでNIPTを受けることを希望する妊婦もいると予測され、検査前に十分な説明を行ない理解を促す必要があることが明らかとなった。これらの結果を学会・シンポジウムにおいて発表した。さらに投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「母体血清マーカー検査後の妊婦の不安に関する研究」で行った面接調査の分析に、時間を要している。さらに、分析したデータに偏りがあることから、本年度は5名程度の研究参加者を追加で募集し、面接調査、分析を行うこととするため、当初の計画よりやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
「母体血清マーカー検査後の妊婦の不安に関する研究」において、12名に行った面接調査の分析を行うなかで、分析結果に偏りがあることから、本年度は5名程度の研究参加者を追加で募集し、平成26年9月末までに面接調査・分析を行う。母体血清マーカー検査をうけ陰性と判定された妊婦の不安や胎児感情に関して考察し、研究成果の発表を行う。 「新しい出生前検査に対する妊婦の意識調査」では、データの分析を行い、NIPTを希望する妊婦の不安や胎児感情に関して考察し、研究成果の発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度中に対象者の面接調査を終了する予定であったが、平成26年度に5名程度の研究参加者を追加募集することとしたために経費を確保した。さらに、海外への論文投稿のための投稿用論文の和文英訳を、平成25年度中に行なう予定であったが、分析に時間を費やしたために遅れてしまい、平成26年度に論文投稿への準備を行なうこととなったため。 【平成26年度】(1)研究学会出張費、(2) 研究関連書籍の購入、(3)その他等 【平成25年度】(1) 面接調査を実施するための費用(研究協力者への謝金、データ整理のための人件費、旅費)、(2) 英文論文投稿への費用(投稿用和文英訳、その他)
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