2012 Fiscal Year Research-status Report
精神科デイケアのリハビリテーション研究―精神障害者の生活機能を評価基準にして―
Project/Area Number |
24792536
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
齋藤 深雪 山形大学, 医学部, 准教授 (30333983)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神科デイケア / リハビリテーション / 生活機能 |
Research Abstract |
精神科デイケアは,「精神障害者が支援を受けながら社会で生活する」という現実的なリハビリテーション目標に最も適した支援を提供している施設であるという点で,非常に重要な施設である。本研究の目的は,精神障害者の生活機能の4年間の変化を明らかにすることによって,精神障害者の生活機能に対する精神科デイケアのリハビリテーション効果を明らかにすることである。精神科デイケアと就労継続支援施設の通所者の生活機能(社会で生活する能力)を評価基準にした4年間の縦断研究を行うことである。 本年度の目的は,精神障害者の生活機能の実態と背景要因の関係を明らかにすることと,生活機能の変化に影響する背景要因を予測することであった。4年間の縦断研究のうちの第1回目調査を行った。対象は,統合失調症と診断された,精神科デイケア通所者(550名)および就労継続支援施設通所者(795名)であった。方法は,郵送法で質問票を用いた調査を行った。質問票の主な内容は,精神障害者生活機能評価尺度,日本語版Rathus assertiveness schedule(J-RAS),背景に関すること(通所期間,通所目的,通所状況,同居者の有無など)であった。質問票のデータを統計的に分析した。 対象者のうち,調査の協力が得られ,質問項目に未回答のない者を分析対象とした。分析対象は,精神科デイケア通所者384名(69.8%),就労継続支援施設通所者484名(60.1%)である(平成24年3月20日現在)。統計分析の結果,精神障害者は一定の生活機能を維持していた。生活機能はコミュニケーション能力と関係がみられた。生活機能の変化に影響する背景要因は,通所目的の有無,通所目的に対する達成度,同居者の有無が予測された。今回の結果は,平成27年度までの縦断研究を実施するための評価基準になり,今後の研究結果を予測する上で有意義であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度から27年度までの4年間の研究で,精神障害者の生活機能に対する精神科デイケアのリハビリテーション効果を明らかにするという大きな研究目的がある。その大きな研究目的を達成するために,各年度にそれぞれの研究計画と研究目的がある。平成24年度は研究計画通りに研究を遂行でき,平成24年度の目的を達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は,当初の計画と比べおおむね順調に進展しており,研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題はない。そのため,今後も研究計画に従って研究を遂行する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(3 results)