2014 Fiscal Year Annual Research Report
看護師向けマインドフルネストレーニングプログラム開発の試み
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24792537
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
浦尾 悠子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (40583860)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精神看護学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、欧米諸国においてストレス低減効果のエビデンスが示されているMBSR(Mindfulness based stress reduction)をベースとした、看護職向けのマインドフルネストレーニング(以下MT)プログラムを作成し、日本の看護・医療系学生を対象に実施することで、日本におけるMTの効果や一般化可能性を検証することであった。 プログラムは1回45~60分・計6セッションとし、前半の2セッションではマインドフルネスに関する説明を講義形式で行い、後半の4セッションでは呼吸法、正坐瞑想、歩行瞑想、ヨーガを組み合わせた実践を行う構成とした。医療系大学において、研究参加への同意の得られた5名の学生に対してプログラムを行い、介入効果は、精神的健康、心理的柔軟性、マインドフルネスを測定する各尺度(GHQ-28,AFQ-Y8, FFMQ)および自作のアンケート用紙を用いて評価した。 プログラム実施前後における尺度得点のt検定を行った結果、実施前に比べて実施後のFFMQの値が有意に上昇していた(p<.05)他、各尺度において中~大の効果量が確認された(GHQ-28:η=.46, AFQ-Y8:η=.56, FFMQ:η=.84)。また、プログラム実施後のアンケート調査において、参加者全員からMTに対するポジティブな意見が出され、「保健医療職に就く上で、マインドフルネスの理解や実践は重要であると感じるか?」の設問にも「感じる:4名、やや感じる:1名」と、全員が肯定的に評価した。 以上のことから、MTが参加者の精神的健康を強化した可能性が示された他、医療・看護学領域におけるMT実施の意義が示唆された。この結果を受けて今後は、現場の看護職者を対象とし、研究参加者数を増やし、比較群を設置するなどして、より厳密な研究デザインでの効果検証研究を行いたいと考えている。
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