2013 Fiscal Year Research-status Report
介護施設における看護管理者の実践が職員およびケアの質に与える影響
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24792539
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
池崎 澄江 千葉大学, 看護学研究科, 講師 (60445202)
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Keywords | 施設看護 / ケアの質 / 看護と介護 / 職務満足度 / 施設内教育・研修 |
Research Abstract |
1.医学中央雑誌およびMEDLINEおよびCHINALによって、施設看護に関連した文献の収集を行った。キーワードは「ケアの質(Quality of Care)」「看護管理(Nursing management)」「介護職(care staff)」「労働満足(Job satisfaction)」とした。要約などから識別し、日本語文献20、英語文献30をリストして作成し、レビューを行った。注目すべき点として、行政監査の厳しいアメリカの施設看護においては、2005年以後より、入居者中心アプローチ(Resident Centered Care)という方針を管理者が明確に掲げることで、職員教育の充実や規制の見直しを行い、これは「Culture Change」と呼ばれるほど大きな動きになっていた。 2.千葉県内にある特別養護老人ホームおよび介護老人保健施設に勤務する看護職にインタビュー調査を行った。特別養護老人ホームの看護管理者からは、入職当時は何をしたらよいかわかわず、自ら動き・マニュアル等を作成して仕事をつくりだした経緯が語られた。また、「看護職に何が期待されているか」を聞きだし、「看護職は○○ができる・役立てられる」という点を、施設管理者と看護者、看護者と介護者において十分にコミュニケーションしなければ、お互いに職種の専門性を活用することなく、ひいてはケアの質の低下につながっていることが指摘されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究のフィールドワーク・インタビュー調査を計画通りに実施することができなかった。その理由として、協力依頼施設の都合もあり、日程を調整することが困難となり、実施にいたらなかったものある。研究者自身も、わが子が装具が必要な整形外科疾患となり対応を迫られ十分な研究時間を確保できなかった。 今年度は、研究補助者を積極的に活用し、最終年度としてしっかり最終調査まで実施できるように行いたい。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度では不十分であったフィールドワーク及び看護職・介護職へのインタビューの追加を早急に実施する。そして2年目の主課題をなる量的調査実施に向けて、調査票の検討を行うこととする。 インタビュー調査で印象に残っている点として、施設によって看護職が実施する・実施を期待される役割が異なっているようであった。こうした采配(仕事上でコントロール)の程度が、介護職との関係やモチベーションに影響しているのではないかと仮説ができた。今年度はこれらの点を追加してインタビューさらに関連文献の精選を行い、調査実施に役立てる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビュー調査において、計画どおりの人数の実施が進んでいないことによる。 また、海外文献資料においても当初は、洋書や高額なケアの質マニュアル(海外の施設で用いている)をハードで購入する予定であったが、ウェブ上でダウンロード可能となり、費用が少なくてすんだ。 インタビュー調査を効率的に行うため、看護協会へ協力を依頼してグループインタビュー計画をたて、実施する。 また、量的調査においても、調査客体および調査項目を幅広く精選し、計画された全額を使用して実施する。
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