2012 Fiscal Year Research-status Report
療養病床の看護管理者に対する身体拘束廃止に向けた支援方法の開発
Project/Area Number |
24792540
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡本 有子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (60363785)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 療養病床 / 看護管理者 / 身体拘束 |
Research Abstract |
療養病床では身体拘束廃止に向けて取り組まれているものの、依然として身体拘束が行われている。身体拘束廃止にむけて看護管理者の前向きに取り組む姿勢が重要であることを明らかにしたが、具体的な方法については抽出できなかったため、療養病床の看護管理者に着目し、身体拘束廃止に向けての取り組みを阻害するプロセスと阻害要因を質的研究にて明らかにし、身体拘束廃止を可能にしたプロセスを参考に比較することで、支援策を検討することを目的とした。 本年度は、療養病床と看護管理をキーワードとして文献検討を行った。 医療療養型と介護療養型との相違について、患者特性では一病棟における転倒転落リスクがあると判断される患者とパーキンソン病患者の割合は医療療養の方が高いが、認知症患者、攻撃性のある患者の割合は介護療養の方が高かった。医療処置の実施率について、大半は有意な差がなかったが、喀痰吸引、胃瘻の管理、経鼻経管栄養は、看護師の少ない介護療養の方が高かったことが指摘されている。療養病床では医療処置だけではなく、日常生活支援の負担も大きいため、一概には言えないものの、両病棟における看護師業務の見直しが必要と考えられる。 療養病床をもつ病院のうち認定看護師を有するのは1割強のみであった。9割以上の看護管理者は認定看護師を望んでおり、希望分野は上位から認知症看護、皮膚・排泄ケア、摂食・嚥下障害看護、感染管理であった。看護管理者は何らかの研修する希望が高かったと述べている論文がある一方で、療養病床に勤務する看護師は学習意欲が低い傾向にあることを指摘する論文もみられた。現任教育について、看護管理者と看護師スタッフとの間での乖離がみられている可能性が考えられる。看護管理者と看護師スタッフの学習意欲の相違および療養病床における教育資源や教育体制について更なる調査が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究活動スタート支援の課題研究も繰越で行っており、本研究に有用な資料となるために時間をさいたことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
やや遅れているものの、研究活動スタート支援での課題研究にて得られた知見も踏まえて、計画に沿って研究を進めていきます。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)研究打合せ時の旅費(93 千円)、対象者リクルートのための通信運搬費(封筒代120 円+返信用80 円)×50 件(10 千円) 2)インタビュー調査の実施・分析のためのデータ収集時の国内旅費(480 千円)、資料整理1人×5 月(310 千円)、研究協力謝金5 千円×20 件(100 千円)、テープお越し30 千円×20 件(450 千円) 3)米国とオーストラリアにおけるナーシングホームの身体拘束に対する取り組みを把握するための現地視察のための米国交通費・宿泊費(300 千円)、オーストラリア交通費・宿泊費(300 千円)、視察受入謝金2 か国(200 千円) 4)その他、研究成果のまとめ・発表のための翻訳・校閲(100 千円)、通信運搬費・文献複写費(27 千円)、ノートパソコン(230 千円)、プリンター代・トナー代(108 千円)トナー代・文具代・図書代等(268 千円)が必要
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