2014 Fiscal Year Annual Research Report
療養病床の看護管理者に対する身体拘束廃止に向けた支援方法の開発
Project/Area Number |
24792540
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
岡本 有子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 講師 (60363785)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 療養病床 / 看護管理者 / 身体拘束 |
Outline of Annual Research Achievements |
療養病床では身体拘束廃止に向けて取組まれているものの、依然として身体拘束が行われている。申請者らが行った実態調査では、身体拘束廃止にむけて看護管理者の前向きに取組む姿勢が重要であることを明らかにしたが、具体的方法については抽出できなかった。そこで、本研究は療養病床の看護管理者が身体拘束廃止に向けての取り組みを阻害するプロセスと阻害要因に着目し、これらを質的研究にて明らかにし、身体拘束廃止を可能にしたプロセスを参考に比較することで、支援策を検討することを目的とした。 昨年度までに洗練したインタビューガイドをもとに、本年度は4名の療養病棟の看護管理者にインタビュー調査を実施し、質的分析を行った。 看護管理者の看護職経験年数は20~36年、管理者としての勤務年数は2~6年であった。病棟の病床数は30~60床、医療区分もADL区分も高い患者が多くを占めていた。 管理者としての身体拘束廃止に向けた取組みは、ありが1名、なしが3名であった。ありと回答した管理者は、介護療養病棟での勤務時に介護保険制度の規定により身体拘束廃止に取組んだ経験を活かし、医療療養病棟の管理者となった時点から身体拘束廃止に取組み、スタッフの反発を受けることなく進められていた。なしと回答した3名のうち2名は身体拘束の廃止までではないが、減らす取組みはしていた。減らす取組みをしている管理者は、入院後の患者の多くは不穏や転倒転落につながる行動をとるために抑制具を用いており、落ち着いてベッド上にいられるようになった時点で抑制具を外していた。その間、患者が病室環境だけではなく、スタッフと顔なじみになることも重要視していた。身体拘束の廃止と減らすことに消極的な管理者は、転倒転落の危険、マンパワーの不足、家族が問題をおこさないように抑制具を使用してほしいという要望、医師が問題を起こしたくないという方針、等を阻害要因としてあげていた。
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