2016 Fiscal Year Research-status Report
胃瘻造設に関する代理決定を行った家族への援助―心理的葛藤プロセスを構造化して―
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24792550
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
簑原 文子 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (60583599)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胃ろう造設 / 代理意思決定 / 家族介護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自己決定が困難な高齢者の胃ろう造設に関する代理意思決定を行った家族が抱く心理的葛藤を軽減するためのサポートシステムを構築することである。平成24年度に胃ろう造設を代理意思決定をした家族の心理が、造設から看取りまでどのように変化をするのかを明らかにするために、インタビュー調査を行った。 平成28年度は、そのインタビュー調査を、修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いて再分析した。その結果、12の概念、3つのカテゴリーが生成された。造設時、家族は、胃ろうは【延命ではなく自然な経過】として捉えていたが、被介護者や家族自身の心身の変化が生じる中で、【まざまざと感じる延命の念】を大きくしていた。そして、胃瘻を造設した後、終末期に至った際の胃瘻から注入する栄養剤の減量・中止の選択は、家族にとって被介護者の命を断つような感覚を抱かせていた。医療者は、そのことを理解し、家族がその選択を受け入れることができるよう、看取りへのケアを含む支援をしていく必要性が示唆された。現在、その結果を論文投稿中である。 次に、胃ろう造設に関する代理意思決定支援を考察するために、「胃ろうをしないという代理意思決定を支える訪問看護師の支援の実際」というテーマで調査を行う準備をしている。昨年度までの質的研究成果を基に、インタビューガイドを作成した。現在、所属大学の倫理審査委員会の承認を得た上で、研究協力施設の選定を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成27年8月から平成28年8月まで産前産後の休暇・育児休業を取得し、研究を中断していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き研究協力施設の選定を進めるとともに、訪問看護師へのインタビュー調査を実施する。また。データ収集と並行して、インタビュー内容を逐語録に起こし、精読ののち分析に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年8月から平成28年9月にかけて産休及び育児休業取得に伴う研究中断のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「胃ろうをしないという代理意思決定を支える訪問看護師の支援の実際~最後まで食べる選択をした家族に寄り添った訪問看護師の語りからの分析~」に伴う、インタビュー調査のための旅費、及びインタビューデータを逐語録に起こす作業を委託するための人件費や郵送費などの通信費等に使用する予定である、
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