2014 Fiscal Year Research-status Report
新任保健師の職業アイデンティティ確立に向けたeラーニング教育システムの開発
Project/Area Number |
24792556
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金藤 亜希子 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 助教 (80432722)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 新任保健師 / 職業的アイデンティティ / 職場環境 / eラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度実施した新任保健師へのインタビューを基に、ベテラン保健師や中堅保健師の意見を加え、「保健師の職業的アイデンティティ」の測定指標と「職業的アイデンティティ形成に良い影響を与える職場環境要因」を尋ねる質問紙を作成した。県内の行政施設の統括的立場にある保健師に対し、このアンケート調査への協力の可否を確認し、協力の得られた施設へ郵送によるアンケート調査を実施した。その結果、経験年数によって保健師の職業的アイデンティティ形成程度に差があること、職場環境に求める内容が異なることが明らかとなった。新任保健師は、保健師のやりがいを感じにくく、他機関との連携に自信が持てない様子が伺えた。また、保健師として成長するために、具体的に保健師活動に関する対応を学べる先輩や同僚保健師が身近にいることや、些細なことでも質問できる職場の雰囲気を求めていることが明らかとなった。 そこで、新任保健師が遭遇しやすい事例について、各々が対応をWeb上で入力し、他者の入力内容の閲覧やコメントの入力が可能なeラーニング学習システムを作成した。これを、2月~3月に試行した。このシステムの特徴は、受講者同士が入力した内容について自由にコメントし合えることと、学習終了後にベテラン保健師から学習状況に対するフィードバックが得られる点である。このシステムは新任保健師が求める職場を再現することで自己の対応への振り返りを促すことを目的とした。試行の結果は現在分析中であるが、受講者の反応として、eラーニング上で他の受講者とコメントのやり取りが出来ること、最後にベテラン保健師からフィードバックがあることに対して高評価だった。しかし、学習期間時期、事例が行政機関によってはコメントしにくい等の意見もあったため、今年度はeラーニング学習システムの内容や時期を修正し、実施を計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の計画通り、アンケート調査及びeラーニングシステムを作成したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度試行したeラーニングの事例やシステムを改善し、新任保健師に対して実施する。試行では人数が少数だったことから、職業的アイデンティティへの影響が検証困難だったため、対象を広げ、適切な人数、期間、対象について検討を重ねる。
|
Causes of Carryover |
eラーニングシステムの作成が年度末であったため、支払いが今年度に繰り越された。また、研究の時期により学会発表等が困難であったため、旅費が未使用である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
eラーニングシステムの修正費、及び学会発表のための旅費として使用する。
|