2014 Fiscal Year Research-status Report
地域住民の心身の健康とソーシャル・キャピタルとの関連及び地域支援介入モデルの構築
Project/Area Number |
24792565
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
豊里 竹彦 琉球大学, 医学部, 講師 (40452958)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 健康支援 / ソーシャルキャピタル / 公衆衛生 / 健康行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、地域住民の心身健康とソーシャルキャピタル(SC)との関連を明らかにし、健康長寿に向けた実践的な地域支援介入プログラムの方策に資することを目的とした。 本研究の調査結果をもとに、対象地域の保健師との意見交換を行った結果、性別や世代によりSCの健康や健康関連行動への影響が異なることや特に生産年齢における職場でのSCの影響も考慮する必要があるという議論がなされた。沖縄県A町在住で20歳以上の1,271人(男性583人、女性688人)を対象とした調査結果においても、BMIで評価した肥満度は男性の20-39歳の常勤で最も多く47.1%であり、女性では40-59歳の常勤で22.9%と最も多かった。喫煙状況では、男性では20-39歳(30.9%)の常勤で最も多かった。また、アルコール過剰摂取者の割合は、20-39歳(52.9%)、40-59歳(56.2%)、60歳以上(58.0%)のいずれの年代においても常勤の割合が有意に高値であった。女性においてもその傾向は同様であった。IPAQで評価した運動量では、標準以下の運動量の割合は、男性では20-39歳(55.6%)、60歳以上(57.1%)で常勤の者で有意に高値であった。女性においても同様に20-39歳(70.0%)、60歳以上(66.7%)で常勤の者で高値であった。一方、K6で評価した精神健康(抑うつ)では、どの年代層および性別においても無職の者の割合が有意に高値であった(29.3~55.2%)。 以上より、地域における健康支援に加え、職場においてもSCを基盤とした取り組みが必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題である地域住民の心身健康および健康関連行動とソーシャルキャピタル(SC)との関連についてアンケート調査および聞き取り調査を行なった結果、性別や世代によってSCによる健康支援の方法が異なる可能性が示唆されたことが今年度の成果として挙げられる。また、生産年齢層への健康支援のあり方として職場を基盤としたSCによる介入の有用性が示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
20歳以上の地域住民を対象としたSCの健康との関連に関する調査結果より、SCが地域住民の健康に寄与してること、及びそのメカニズムとして健康関連行動が媒介としてることが明らかとなった。さらに性別や世代によりSCの健康に対する影響が異なることが示唆された。今後はこれまでの結果を踏まえ、職場を基盤としたSCによる介入の有用性について明確にするため、職場におけるWork-place social capitalの健康や健康関連行動に対する影響とそのメカニズムを解明することが課題である。
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Research Products
(2 results)