2012 Fiscal Year Research-status Report
看護師の役割機能に焦点を当てた療養病床における専門職連携実践のあり様に関する研究
Project/Area Number |
24792569
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
丸山 優 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (30381429)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 専門職連携実践 / 療養病床 |
Research Abstract |
当初計画では、本年度に高齢者専門病院の療養病床における調査票を用いた量的調査とグループインタビューによる質的調査を実施する予定であった。しかし、調査項目を精錬する段階で、考慮すべき概念(Team Climate)を発見し、検討に時間を要したために、調査予定を繰り下げ、本年度は調査票の再構成に取り組んだ。本研究においては、多職種で連携したチームにおける実践力の測定を試み、職種による特徴の差異を量るため、チームの状況を測定することが必要不可欠であると判断した。本年度は、このTeam Climateに関する文献精査、翻訳に取り組み、調査票への組み入れの検討を中心に行った。 Team Climate とは、革新性の高い組織を創るために必要な要素を組織における目標設定、参加的環境、革新性の保持、方向性の設定、相互作用の程度の5因子に整理されたものであり、その評価尺度が開発されている。Team Climateの概念は、英国研究者らによって開発されたものであるが、欧州各国で活用され、信頼性が確認されている他、病院や訪問看護師集団といった保健医療にかかわる組織の調査においても活用された実績がある。 現在、このTeam Climateの調査項目を取り込んだ調査票がほぼ完成し、研究実施について倫理審査委員会の承認を得ている。当初計画より実施時期が遅延しているため、計画より時間的に逼迫することとなっているが、研究目的を遂行するために、データ収集方法について再検討し、調査対象の範囲を狭め、研究協力者を募る準備をした。 また、高齢者医療の先進国であるスウェーデンにて、個人主義を貫きシステム化された連携のあり様、看護職者の役割機能を視察した。ケア、看護という営み、またそのシステム化においては、文化が反映されており、日本独自の連携実践のあり様を明らかにする重要性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、調査を実施する予定であったが、文献検討の段階で調査に組み入れるべきと判断する新たな概念を発見し、その精査、調査票の精錬のために時間を要した。そのため当初計画よりもやや遅れている。しかし、研究目的を達成するためには、必要不可欠な過程である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画で平成24年度に実施予定であった高齢者専門病院の療養病床における調査と平成25年度に実施予定である総合病院の療養病床における調査を同時に実施する。計画では、全国の療養病床から選定する予定であったが、研究者から地理的に近い施設に狭めて研究協力施設を募り、研究の遂行を可能とする。手順は、当初計画と変更なく、調査票による量的調査とインタビューによる質的調査の方法論的トライアンギュレーションを用いて多面的に分析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、当初計画で調査を実施する予定であったが、調査票の精錬が必要と判断し、調査実施を繰り下げた。そのために、次年度への繰越金が発生した。平成25年度は、調査票を用いた調査のための費用(郵送費、印刷費、データ入力、謝礼)やインタビュー調査のための費用(研究者交通費、逐語録作成、謝礼)等に研究費を活用し、研究を遂行する予定である。
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