2013 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の役割機能に焦点を当てた療養病床における専門職連携実践のあり様に関する研究
Project/Area Number |
24792569
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
丸山 優 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (30381429)
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Keywords | 療養病床 / 多職種連携実践 / 看護師 |
Research Abstract |
本研究では、療養病床での多職種連携実践において、看護師が発揮している役割機能、チームメンバーが期待する役割機能を明らかにすることを目指して、療養病床で働く看護師と同チームで働く他多職種者(医師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、栄養士、医療ソーシャルワーカー等)にフォーカスグループインタビューと自記式調査票による多職種連携実践力調査を行った。 フォーカスグループインタビューによる調査から、療養病床において看護師が多職種チームの中で、患者中心の立場を貫き、患者に関する情報を統合し、患者の目標の到達に向けて他職種者に働きかけ、かつ、家族との中継役を担い、日々の患者の生活および他職種者の実践が円滑に進められるように活動する役割機能をもつことが示唆され、患者の療養生活を支援する上で重要な役割を担うことが明らかになった。 しかし、多職種連携実践力の調査結果では、看護師スタッフ集団は他職種者と比較して実践力の評価が低く、多職種チームで連携した実践の発想をもつ者の割合が低いことが明らかになった。管理職者では、他職種者と同等の評価であった。これは、看護師集団が看護チームとして働いているために、一看護スタッフとしては他職種者との関わりが必要のない現状が影響していると考えられる。 今後の展開として、看護師集団の特徴を鑑み、看護師集団のリーダーを担う者を対象に他職種者との連携実践力を培う教育を促進すること、スタッフ看護師を対象に、看護師チームとして患者に関わりながら他職種者をも含めたケアとして日々の実践を考えられるシステムを構築することが療養病床における多職種協働ケアの実践、ひいてはケアの質の向上に向けて有効であると考える。
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