2014 Fiscal Year Research-status Report
ソーシャル・キャピタル概念を取り入れた行政保健師の役割に関する多角的研究
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24792574
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
望月 宗一郎 山梨県立大学, 看護学部, 講師 (30468227)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 保健師 / 地域住民 / 地域包括ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の自治体に関わる中で,行政保健師は,地域の健康課題を抽出すること,社会資源を掘り起こし活用すること,職場内及び多職種との連携に関すること等を課題としていることが分かった。これらの力量形成のためには,まず「自分自身の行動を振り返ること(内省)」と「自分が振り返ったことを開示し話し合うこと(対話)」が大切で,①個人や地域の実態・特性の理解,②自己・他者・地域の変容課題の自覚化,③地域ビジョン(目指す姿)の理解と共有,④事業の目的・機能の理解と共有,⑤事業運営の工夫・配慮,⑥事業評価と継続,⑦個人や地域を理解・支援するための専門性の研鑽,という7つが抽出された。 また,平成26年度は,平成25年8月から10月にかけて行った地域在住高齢者64人を対象とした無記名自記式質問紙調査の結果をまとめ,学会で発表した。概要は次のとおりである。対象の平均年齢±SDは80.4±4.5歳,男性10人(16.1%),女性52人(83.9%)であった。回答者を「要支援1・2」と「非該当・未申請」の2群に分けSC関連項目とクロス集計した結果,「非該当・未申請」群の特徴として「普段交流があるご近所の方の人数が多い(p<.001)」,「昨年,地域の行事や催しに参加した(p=.045)」,「一般的に人は信頼できると思う(=.013)」が挙げられた。要介護状態の進行防止にSC醸成が関連していることを示す結果となり,日頃のご近所づきあいや地縁的活動への積極的参加に併せ,一般的信頼を高められるような治安のよい地域環境を整えることが重要であると考えられた。 さらに,千葉県鋸南町の視察からは,①SCは長い期間をかけて醸成されるものであり,若いうち(幼児・学童期,妊娠・出産期等)からの関わりが重要であること,②SCは自然発生的なものだけでなく行政保健師の仕掛け方によって飛躍的に向上する可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現段階では,先駆的活動を実施している国内市町村への視察が十分に行われておらず,一般性を高める意味でさらなるデータ収集を実施しなければならない。 また,学会等で最新の研究から得られた学びを統合させ,さらに考察を深める時間が必要であると考えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
ソーシャルキャピタル関連の研究や書籍が急速に増えていることから,自身の調査のみに偏らず,幅広い視点での考察を検討している。 文献に再度あたることに併せて,現場で活躍されている保健師から実情を聴きながら,さらに考察を深めていく予定である。方法論にとらわれず,保健師活動の根底となる考え方を整理していきたい。
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Causes of Carryover |
国内先進地への視察が不十分であった(日程が合わなかったことによる)ことから,継続して視察を実施するための旅費等が必要となる。 また,本研究の成果を,27年度に韓国で開催される国際学会(The 6th International Conference on Community Health Nursing Research)で発表する予定であるが,これに関する経費が必要である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
関連書籍の購入や文献の取り寄せのために使用するとともに,報告書を兼ねた書籍の発刊と,研究協力者への郵送にかかる費用として使用する予定である。 また,国内先進地への視察や国際学会(韓国)で研究成果を発表するための旅費等として使用することを検討している。
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Research Products
(3 results)