2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のうつ予防に有効なプログラムの作成・評価:骨格筋量とうつとの関連に着目して
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24792579
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山縣 恵美 京都府立医科大学, 医学部, 助教 (30570056)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高齢者 / うつ / 体力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者のうつと骨格筋萎縮との関連を明らかにした上で、これに基づくうつ予防に有効なプログラムを作成し、その効果を検証することを目的としている。初年度のベースライン調査では、地域在住高齢者のうちうつ傾向にある者はそうでない者に比較して、下肢筋力や、持久力、筋パワーが有意に低値を示し、骨格筋量も有意に低い値が認められたことを報告した。この結果を踏まえて、運動を中心とした教室型のうつ予防プログラムを開発し効果検証を行った。前年度は介入参加者55名の分析を実施した。今年度は引き続き対象者数を増やしたことに加えて、新たに自宅型プログラムも設定し、その効果を検証した。 対象者は、地域在住自立高齢者でGeriatric Depression Scale簡易版によりうつ傾向が認められた121名(教室型60名、自宅型61名)であった。介入期間は15週間で、教室型は、週1回90分の運動教室に加えて自宅でも運動の実施を指導した。自宅型は最初の2週間に教室で運動指導を行い、以降は自主的な運動の実施を促した。運動内容は、教室型、自宅型共に上下肢筋群の筋力向上をねらいとしたレジスタンストレーニングを主とした。また、対象者には日々の運動実施状況を日記に記録してもらった。介入前後でGDS簡易版、体力、筋厚を調査した。 その結果、GDS得点の平均は教室型、自宅型共に介入前後で有意に改善していた(p<0.05)。また、教室型の16名、自宅型の14名は介入後非うつ傾向へ改善していた。筋厚は、教室型、自宅型共に介入前に比較して介入後に有意に増加した(p<0.05)。体力では、脚筋力は教室型、自宅型共に介入前に比較して介入後に有意に増加した(p<0.05)。6m最大歩行速度とTUGでは、交互作用を認め、いずれも教室型で有意に改善した(p<0.05)。 以上より、運動を中心とした本プログラムは、体力や筋量を増加させるとともに、うつ傾向の改善にも寄与することが示された。
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