2012 Fiscal Year Research-status Report
フィリピンにおけるヘルスワーカーの巡回型産褥期訪問システムの開発と評価
Project/Area Number |
24792581
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
山下 正 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (90613092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / フィリピン / マニラ / ムンティンルパ |
Research Abstract |
平成25年1月21日(月)~1月26日(土)にかけて、Philippines General Hospital (PGH)とムンティンルパ市役所において現地調査を行った。ムンティルパ市役所では、産褥の母親74名、バランガイヘルスワーカー18名、専門家(看護師・助産師・医師)17名に対して、PGHでは褥婦29名及び専門家28名に対してインタビュー調査と質問紙調査を実施した。 本調査結果から、フィリピンの産後のケアの現状及び問題点を把握することができた。産後ケアの受診回数は平均1.8 回(SD=2. 8)であった。出産後最初にケアを受けた日数は平均3.1 日目 (SD=4. 8)であった。また、産後ケアの有無については、出産場所の違いより有意な差がみられ(P=0.007)、施設分娩に比べて自宅分娩の方が産後ケアが少ない傾向であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度として、現地との研究調整(フィリピン、フィリピン大学付属病院産婦人科とムンティンルパ市)を行い、調査用の質問紙、インタビューガイドの作成をすることができた。また、我々は平成25年1月21日(月)~1月26日(土)に現地調査を実施し、計画通り、次の1~3を実施することができた。調査結果を分析することで、フィリピンの褥婦(分娩2~3時間後から8週までの女性)の生活実態、BHW、TBA、保健センターで勤務する看護師、助産師の活動実態を明らかにすることができた。 1.ムンティンルパ市保健センターにおいて、褥婦をインタビューすることで、産後の生活、産後の運動や食事の内容、清潔行動の場面や使用物品、家族の協力、伝統的習慣などを理解することができた。 2.質問紙調査をムンティンルパ市在住の褥婦74名、Philippines General Hospital (PGH)の褥婦29名に実施することができた。 3.質問紙調査をムンティンルパ市保健センターで勤務している看護師、助産師、バランガイヘルスワーカー(BHW)17名、PGHで勤務している医師、看護師、助産師28名に対して実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の結果から得られたデータ、分析結果をもとにフィリピンの褥婦に対して必要な保健サービスを検討する。バランガイヘルスワーカー(BHW)への健康教育プログラム、訪問トリアージシートの作成、及び巡回型訪問モデルを検討する。 1.平成24年度に抽出されたデータの分析結果をムンティンルパ市保健センターでプレゼンテーションした上で、それぞれの職種が約5~7名のグループになり、「産後の健康的な生活について」というテーマでフォーカス・グループ・ディスカッション(以下、FGD)を行う。 2.1で抽出されたデータをもとに、BHWへの健康教育プログラム案、訪問トリアージシート案を作成する。作成は保健センターの看護師、助産師と適宜意見を交換しながら作成していく。下記に現時点で考える健康教育プログラム案、訪問トリアージシート案、BHWによる巡回型訪問モデル案と訪問トリアージシートの使用方法案を示す。しかしそれらは現時点の案に過ぎず、現地の保健センターのスタッフ、BHW、TBAや研究協力者と十分な検討を重ねた上で地域の実情に合った、実施可能なものを作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.海外調査費(渡航費、現地移動費):本研究の調査地はフィリピンのムンティンルパ市であり、現地の褥婦やBHW、看護師、助産師へのインタビュー調査や産褥期の自宅の様子を観察するために海外の現地調査が必須である。 2.通訳費:現地の言語はフィリピン語(タガログ語)の使用が多いため、タガログ語から英語への通訳が必要である。 3.携帯式上腕血圧計・デジタルベビースケール:健康教育プログラムの中でバランガイ・ヘルス・ワーカーに使い方を説明し、バランガイ・ヘルス・ワーカーが訪問で褥婦(血圧計)及び乳幼児(ベビースケール)に対して使用する。 4.学会発表費・論文投稿費:平成24年度の結果を学会で発表し、専門誌に投稿する。
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