2014 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンにおけるヘルスワーカーの巡回型産褥期訪問システムの開発と評価
Project/Area Number |
24792581
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
山下 正 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (90613092)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フィリピン / 産褥 / ヘルスボランティア / 国際保健 / 自宅出産 / 母子保健システム |
Outline of Annual Research Achievements |
フィリピンには多くの母子保健の課題があるにも関わらず、看護師等の医療専門職が他国に比べて非常に少ない現状がある。そこで我々は、ヘルスボランティアとして活動するバランガイ・ヘルス・ワーカー(BHW)の活動に注目した。1つ目の調査では、BHWがフィリピンの母子保健システム上でどのような役割を担っており、どのような活動をしているかを明らかにしていくことを目的とした。続いて、平成25年度に行った調査結果より、自宅出産者の保健サービスの利用が少ない現状を明らかにしたことから、それらの実態把握を行った。 1つ目の調査からは、ムンティンルパ市役所(フィリピン)に登録されているBHW13名とフォーカスグループディスカッションを行い、そのデータを質的に分析した。その結果、BHWは家庭訪問を通じて、自宅で生活する褥婦の心身の健康の問診を行いスクリーニングしていること、予防の目的で健康に関する情報を提供していること、一方でBHWは産後ケアにおける知識や技術を学ぶ機会が非常に少ないことなどの課題が明らかになった(Yamashita T et al. Tropical Medicine and Health, in press)。続いて、ムンティンルパ市(フィリピン)在住で自宅出産をした褥婦23名に対してアンケート調査を行い、そのデータを分析した(2015年3月)。本調査では自宅出産の保健サービス利用の現状把握を目的に調査を行った。その結果、対象者の出産介助者は約7割がHilot、約3割が助産師であった。産前産後の保健サービスとして、予防接種は約9割、家庭訪問は約半数が利用していた。これらのことより、自宅出産者は保健センターのサービス(予防接種など)とHilotによるサービス(出産介助や家庭訪問など)を合わせて利用している現状が明らかになった(論文作成中)。
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