2012 Fiscal Year Research-status Report
施設高齢者の活動や夜間睡眠に影響を与える仮眠とは~時間・場所・体位に着目して~
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24792584
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
小西 円 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (30616131)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 仮眠 / 施設高齢者 / 夜間睡眠 / 活動 |
Research Abstract |
本研究の目的は施設高齢者を対象に仮眠の実態調査を行い、仮眠が日中の活動性や夜間睡眠に与える影響を明らかにするとともに、仮眠中の体位、場所と仮眠との関連性を検討することである。 対象者18名のうち、男性は8名、女性は10名であり、平均年齢は85.9歳であった。また、13時から15時における仮眠時間の平均は32.7分であり、3日間の調査期間中に全く仮眠を取っていない対象者はいなかった。対象者を【30分未満の仮眠群】と【30分以上の仮眠群】の2群に分け、認知機能、ADL、睡眠薬服用の有無、レクリエーション参加の有無、趣味や日課の有無、夜間の睡眠状況(中途覚醒回数・睡眠効率・総睡眠時間・入眠潜時)、仮眠後の活動量、仮眠後の活動内容(無為・睡眠、生理的行為、文化的行為、医療的行為)のそれぞれにおいて比較した。その結果、仮眠後の活動量および仮眠後の活動内容のうちの文化的行為においてそれぞれ仮眠と有意な関連(p<0.05)が認められ、【30分未満の仮眠群】が【30分以上の仮眠群】と比較し、仮眠後の活動量が多く、文化的行為に充てる時間が長いことが明らかになった。 施設高齢者の仮眠は仮眠後の活動量のみでなく活動内容にも影響を与えることが明らかになり、適切な仮眠を取り入れることで、日中の生活の質を高めることが示唆された。今後は調査を継続しデータ数を増やすことで、結果を確実なものにするとともに、意図的に仮眠を取らない施設高齢者の日中の活動性や夜間睡眠との比較や、施設スタッフの仮眠に対する認識についても調査、分析を行い、高齢者施設における効果的な仮眠を取り入れたケアシステムの開発についても検討していきたいと思う。 一方、本研究の目的の1つでもある、仮眠の体位、場所と仮眠の関連性に関しては本年度検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、施設に入所する高齢者のうち、意思疎通が可能なこと、自力歩行が困難なために車イスを使用していること、65歳以上であることの全てを満たし、3日間の連続調査が可能なものを対象に調査が行えている。また、調査の際にはアクティグラフ(AMI社製・RC型)を使用し、継続的かつ非侵襲的に睡眠・覚醒リズムを測定するとともに、瞬間観察法を用いた行動観察を行い、日中の活動内容に関してもデータ収集が行えている。 加えて、これらのデータを活用して仮眠が施設高齢者の日中の活動性や夜間睡眠に与える影響に関し、適切な仮眠が仮眠後の活動量を増加させ、仮眠後の活動内容のうち文化的活動に充てる時間を延ばすことが明らかになった。今後は、仮眠中の体位や場所と仮眠との関連性を明らかにする予定であるが、左記についても当初の計画に沿っており、順調に達成していると考える。 一方、1施設における対象者の人数は限られており、現在、予定していたデータ数の約半分しか取れていない状況にある。そこで、今年度も調査を継続する予定であるが、協力施設もいくつか決定しており計画していたデータ数は確保できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
H25年度は継続して施設高齢者を対象にデータ収集を行う予定である。それとともに、集めたデータを用いて、①仮眠と日中の活動性や夜間睡眠への影響についての分析結果をより確実なものにする予定である。また、②施設高齢者の仮眠中の体位、場所と仮眠との関連性を研究協力者とともに分析する予定である。②に関しては、仮眠中の体位(臥位、座位等)と場所(ベッド上、車イス等)における仮眠との関連性を仮眠指標および主観的仮眠評価から算出、分析する予定である。 そして、高齢者施設における効果的な仮眠を取り入れたケアシステムの開発についての検討を始める準備を進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度は、継続してデータ収集や分析を行う予定である。左記に関しては、研究協力者との協力を視野に入れているため、それも含めた交通費および人件費が必要である。 加えて平成25年度は学会発表や論文投稿を予定しており、交通費や通信費、資料作成のための物品購入費が必要である。
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