2012 Fiscal Year Research-status Report
精神科外来看護師の診療待ち患者に対する臨床判断のプロセス
Project/Area Number |
24792587
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
浅井 初 福岡県立大学, 看護学部, 助教 (80612952)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 精神看護 / 外来看護 / 臨床判断 |
Research Abstract |
精神科外来の診療待ちの患者で、看護師が「何か変」と感じ、早期に何らかの看護が必要かどうかの臨床判断を形成するプロセスを明らかにし、精神科外来看護師のケアの質向上やモチベーションアップにつながることを検討することを目的として、研究に取り組んだ。 まず、「臨床判断」、「精神看護」、「外来看護」をキーワードに、文献検討を行った。インタビューガイドは、文献等を参考に作成し、今までの精神科外来看護をしている経験の中で、診療待ち患者で印象に残った介入場面等を中心に語ってもらい、対象者が自発的に話す内容に加えて①印象に残った理由、②患者のどのような状態をみて、「何か変」と感じたのか、③懸念はどんなものがあったか、④介入した場合、何を考えながら介入をしたか、⑤介入後何を考えたか、等の回答が引き出せるように工夫した。その他の書類(研究依頼書、同意書等)の作成も行なった後、倫理審査を福岡県立大学研究倫理委員会に申請した。研究倫理委員会承認後、F県内、S県内の精神科病院に研究協力依頼し、必要時、病院の倫理審査委員会にも提出した。研究対象者の選択については、管理者からの推薦の後、再度研究者からの説明、同意を得られたあとに研究協力してもらった。インタビュー前には、管理者からの外来受診状況、外来看護の仕事内容等も把握した。 現在、2病院、4名の精神科外来看護師に対して、半構成的面接調査を行なった。時間は、1人40分から1時間程度であった。その結果については、インタビュー内容を逐語録に起こし、現在、質的帰納的に分析中である。患者の表情や行動、家族からの情報をもとにして第一歩の介入を行い、その後、より介入の必要性を感じていることが明らかになっている。 今後は、質的帰納的に分析を進めると共に、インタビューガイドの内容の洗練を行い、内諾を得ている研究協力者への面接調査と共にさらなる対象者数を増やしていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定では、研究協力依頼病院への依頼や倫理審査委員会への書類提出までとなっていたが、研究協力して頂く病院の配慮もあり、4名の研究協力者に面接調査を行うことができた。しかし、インタビュー人数に関してはまだ少ない。平成24年度中に後3名の面接調査の内諾はできている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、内諾を得ている研究者への面接調査と共に、再度、異なる研究協力依頼病院の倫理審査委員会に書類提出・研究依頼を行っていく。 インタビューデータ入力を行い、質的帰納的に分析を進めていく。 8月からは産休・育休に入るため、研究は一時中断をする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の残額「243,926円」となった理由としては、国内外の文献の取り寄せまでは行っておらず、学内で入手できる文献に限ったことと共に、翻訳の賃金としてとっていた研究費を、翻訳ソフトやスキャナーに変更したことがある。また、今回、妊娠が分かり、予定していた学会に参加することができなくなったため残金が発生した。平成25年7月までの研究費の使用計画として、文献取り寄せ代金や、本購入金、研究協力依頼病院への書類送付、研究依頼病院への交通費や謝金、インタビューデータ入力の業者委託料金、データ分析のためのパソコン関係の物品費となる予定である。
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