2014 Fiscal Year Annual Research Report
市町村保健師の精神的健康と意欲を高める職場の検討-社会とのつながりに着目して-
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24792591
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
齋藤 尚子 順天堂大学, 医療看護学部, 助教 (90621730)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 市町村保健師 / 精神的健康 / 仕事意欲 / 職場環境 / 社会とのつながり |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、市町村保健師の精神的健康度を良好にし、仕事意欲を高める要因を明らかにすることである。特に、要因では先行研究で精神的健康や仕事意欲に関連していた“自分の仕事が社会の役に立っている”と感じる感覚である「社会とのつながり」に着目し、保健師が社会とのつながりを感じるための具体的状況および精神的健康や仕事意欲につながる状況を明らかにした。 平成26年度は、平成25年度に先行研究および保健師のインタビュー調査により明らかにした保健師が「社会とのつながり」を感じる状況について、全国の市町村保健師を対象に質問紙調査を行った。調査により「社会とのつながり」の現状および精神的健康、仕事意欲との関連を明らかにした。 「社会とのつながり」を感じる状況は因子分析の結果、3因子から構成されていた。得点が高い順に【保健師活動が尊重される職場風土】3.83、【直接的関わりにおける活動意義の認識】3.73、【客観的指標・根拠に基づく活動実践】3.44であった。ロジスティック回帰分析の結果、精神的健康には時間外勤務時間(OR=1.01)、【保健師活動が尊重される職場風土】(OR=0.71)が関連していた。意欲には年齢(OR=1.04)、【直接的関わりにおける活動意義の認識】(OR=2.94)、【保健師活動が尊重される職場風土】(OR=1.38)が関連しており、社会とのつながりを感じられる状況を意図的に設定する必要がある。本研究の結果より、保健師活動について共有できる場の設定や活動時間の確保が有効と言える。先行研究と比較して、市町村保健師の意欲は高いものの精神的健康は不良であるため、改善のための対策が早急に必要である。
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Research Products
(1 results)