2012 Fiscal Year Research-status Report
精神疾患の未受診者や受療中断者等へのアウトリーチ支援が多職種チームに与える影響
Project/Area Number |
24792592
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
木戸 芳史 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (70610319)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / ポルトガル |
Research Abstract |
平成24年度は、研究に先立ち多職種による精神科アウトリーチを先駆的に実践しているチームからヒアリングを行うことで、研究デザインの洗練および詳細な検討を行った。各チームでの多職種による精神科アウトリーチの実践において、有意義であると示唆されながらも従来の診療報酬制度では実践することができなかった内容に着目し、その中でも専門職として雇用されたピアサポーターによるアウトリーチ実践と主観的体験を明らかにすることにした。 国内における学術集会での専門家からのヒアリング、実践しているチームからのヒアリングを通じて、専門職として雇用されたピアサポーターによる精神科アウトリーチについては、我が国では先駆的に実践されている内容であり、未だ十分に先行研究によって明らかになっていない内容であることから、研究デザインとして質的記述的研究とすることにし、調査説明書やインタビューガイドを開発し、研究倫理審査を受け承認された。また、パイロット研究として対象者1名からインタビューを行い、研究内容の洗練および修正を行った。 本研究は、精神科アウトリーチにおける、多職種チームの一員として雇用されたピアサポーターの実践内容や主観的な体験を明らかにし、今後の精神科アウトリーチにおけるピアサポーターへの支援や、協働する他の専門職への教育に対する示唆を得ることを目的とする。本研究により、精神科アウトリーチに従事するピアサポーターの実践や主観的体験プロセスが明らかになることで、医師・看護師・精神保健福祉士などの協働する他職種とのチーム連携が向上し、サービス利用者のリカバリー促進に資するものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は平成24年度に、専門家からのヒアリングや実践しているチームからのヒアリングを通じて、専門職として雇用されたピアサポーターによる精神科アウトリーチについては、我が国では先駆的に実践されている内容であり、未だ十分に先行研究によって明らかになっていない内容であることを確認し、調査開始に向けて研究デザインとして質的記述的研究とすることや、調査説明書やインタビューガイドの開発を行った。 しかし、研究倫理審査の承認を受けることが遅くなったことにより、パイロット研究として対象者1名からインタビューを行い、研究内容の洗練および修正を行ったものの、当初の予定ではパイロット研究を終え、昨年度末には予定数の半数ほどのデータ収集を終える予定であったため、結果としてやや遅れていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.インタビュー調査(昨年度より継続):平成24年度から継続して、多職種による精神科アウトリーチを先駆的に提供している、厚生労働省「精神障害者アウトリーチ推進事業」を受託している機関にピアサポーターとして雇用され、多職種チームの一員として活動をしている方々へのインタビュー調査を行う。 2.データ分析(6月より):インタビュー調査と並行して、研究協力者の許可を得て録音したしたものから逐語録を作成し、エピソードごとにコード化する。次にコードからサブカテゴリー・カテゴリーを作成する。データの解釈・分析にあたっては、その過程において質的研究の研究者及び精神看護の研究者によるスーパービジョンを受けながら実施する。 3.成果報告:国外1学会、国内1学会において研究成果の一部を報告する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.インタビュー調査:対象者(研究協力者)は全国に点在しており、インタビュー調査において旅費および謝金を支出する予定である。当初予定では本年度に半数ほどのインタビューを実行する予定であったが、研究がやや遅れているために、その分の旅費および謝金が執行できていない。インタビュー対象者数は変わらないため、本年度分と合わせて次年度に執行する予定である。 2.データ分析:インタビューデータのテキスト起こしに支出する予定である。また、分析にあたり、書籍等に支出するとともに、データ入力作業や文献収集作業に人件費を支出する予定である。 3.成果報告:成果報告の場として国際学会および国内学会での発表を予定しており、旅費および参加費を支出する予定である。また、国際学会においては英語での発表となるため、英文校正にも支出をする予定である。 4.事務処理:研究全般において必要な文具類を購入するために支出予定である。
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