2013 Fiscal Year Annual Research Report
不安の看護の構造化と「不安の看護教育プログラム」の開発
Project/Area Number |
24792595
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
嵐 弘美 東京女子医科大学, 看護学部, 講師 (50439832)
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Keywords | 精神看護 / 不安 / 教育プログラム |
Research Abstract |
本研究では、「不安の看護教育プログラム」を開発し、評価することを目的として研究を実施している。平成25年度は、以下の研究計画を実行し、成果を得られた。 1.前年度の文献検討より作成した、半構造的インタビューを用いて、先駆的な看護実践を行っている看護師へのインタビュー調査を引き続き実施した。その結果、<環境整備><日常生活行動のニードを満たす><訴えを聴く、不安を受容する><対処行動の獲得・改善・強化><自己表現を促す><健康的な側面や受けている支援を認め、強化する><患者自身が自分の苦悩の原因を理解し、症状の軽減を図れるよう援助>等の看護ケア・プロトコールが抽出された。 2.これまでの結果を統合し、「不安の看護教育プログラム」(試案)を開発した。「不安の看護教育プログラム」の基本編は、III部構成とし、I部は「不安の特性」について、不安という概念の基本的な特性の説明で構成されている。II部は、「不安のアセスメントと看護」について、症状(情動的指標、生理的指標、認知的指標)・レベル(強度・パニック、中等度、軽度)・基本的な看護とレベルに応じた看護・不安の種類(内因性不安・非内因性不安の鑑別)と看護・看護師自身の感情で構成されている。III部は、不安の看護の困った事例を参加者に提供してもらい、講義の内容と照らし合わせて振り返るという内容で構成された。 3.開発された教育プログラム(試案)を、精神看護学の修士課程修了生や精神看護専門看護師等の専門家らのグループに1回実施し、その意見をもとに、精神看護を専門としない看護師にもよりわかりやすい表現となるように精錬した。精錬したプログラムを、大学病院の臨床で働く看護師を対象に3回実施し、その効果を評価した。その結果、自己記入式アンケートによる主観的評価(「1:理解できなかった」から「4:よく理解できた」)で受講者の70%以上が評点3以上であった。
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