2012 Fiscal Year Research-status Report
コンジョイント分析を用いたテーラーメード型の集団指導の効果の検討
Project/Area Number |
24792596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
佐藤 潤 東京医療保健大学, 看護学部, 講師 (30448881)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 保健指導 / テーラーメード / コンジョイント分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,集団指導でありながら個別指導のように対象者の個別性を考慮したテーラーメード型の集団指導の効果について検討することである。集団指導にテーラーメードの概念を加える手法として,本研究ではマーケティングリサーチの分野で消費者の選好を調査するのに使用されているコンジョイント分析を用いることである。 平成24年度の主な実施内容は研究実施施設の選定・調整であった。産業保健分野を中心に2箇所の企業に研究協力の依頼を打診したものの,現時点では研究実施施設は確定できていない。そこで平成24年度は,本研究の分析手法の要であるコンジョイント分析を用いた研究に関する先行研究を精査した。また,コンジョイント分析に関する先行研究は,禁煙治療の選好に関する研究や食事における栄養素の潜在的な選好に関する研究においてコンジョイント分析を用いた論文を見出すことができた。いずれの研究においてもコンジョイント分析の特徴を有用に使っており,仮想質問から相対重要度を算出しており,本研究においてもこの分析方法が有用であることを確認することができた。 さらに,研究実施施設での介入に先立ち,近年生活習慣病の保健指導における重要性が指摘されている睡眠について,栄養・運動とともに特定保健指導の項目に入れるべきかどうか検討するためweb調査を実施した。1014名(男性484名,女性530名)に対して調査した結果,主観的睡眠の質を評価するPittsburgh Sleep Quality Index得点,起床時の睡眠内省を評価するOSA睡眠調査票MA版の得点のいずれも,一部の指標で身体活動と有意に関連していた。よって,平成25年度に実施予定の研究実施施設における介入においては,当初の予定にあった栄養・運動に加えて睡眠も含めてテーラーメード型の集団指導を作成していくことも考える必要があるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,平成24年度に研究実施施設の選定とベースラインデータの集収を実施する予定であった。しかしながら,研究協力を依頼した企業の多くが特定保健指導を既にアウトソーシングしてしまっていたため,現在のところ研究実施施設は決定できていない。 その代わり,当該研究分野における先行研究の洗い出し作業と,より魅力的な保健指導を研究実施施設に提供できるように事前の調査を実施したため,研究協力施設が見つかればすぐに研究を開始することは可能な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力施設を確保するために,現在いくつかの企業に協力を打診している状況である。研究実施施設が確定後は,平成24年度に入手予定だったベースラインデータについて,可能であれば当初の計画通りに平成24年度のデータをレトロスペクティブに入手することを打診する。これにより,当初の計画から大きなスケジュールの変更なく研究を遂行することができると考えられる。 また,現在協力を打診している企業から断られてしまった場合に備えて,他の研究者から研究実施施設の紹介をしてもらう等の準備をしておく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実施施設への交通費,および当該研究分野の情報収集としての学会参加で旅費を使用予定である。また,研究実施施設において人件費・謝礼が発生する可能性もある。その他,保健指導時に必要な物品については研究協力施設の保健師・産業医と相談の上決定する予定である。
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