2013 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の周辺症状に対する漸進的筋弛緩法の効果
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24792598
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
池俣 志帆 椙山女学園大学, 看護学部, 助手 (00527765)
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Keywords | 漸進的筋弛緩法 / 認知症高齢者 / 周辺症状 |
Research Abstract |
認知症高齢者へ漸進的筋弛緩法を実施し、生理的・心理的反応について短期的及び長期的評価を行うことを目的とした。 グループホームの利用者である認知症高齢者37名を対象とし、漸進的筋弛緩法を介入する介入群18名と対照群19名に割り当てた。漸進的筋弛緩法は、1日1回15分程度を3ヶ月間継続して実施した。結果、漸進的筋弛緩法実施前後の短期的評価では、収縮期血圧値の14日目、拡張期血圧値の7日目・14日目、脈拍数は初回・7日目・14日目、呼吸数は14日目、唾液アミラーゼ値は初回・7日目・14日目に有意な減少がみられた。漸進的筋弛緩法の介入前後の長期的評価では、介入群と対照群を比較して、介入群では周辺症状の評価指標の得点が有意に減少していた。周辺症状の中でも、不安や興奮において減少傾向が強くみられた。また、日常生活動作を評価した指標では、介入群において有意な増加がみられた。一方、唾液中分泌型免疫グロブリンAの値は、介入群と対照群において有意な差はみられなかった。 漸進的筋弛緩法は、グループホームの利用者である認知症高齢者に対し、日常ケアの中で継続して実施する方法として有用である可能性があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、グループホームにおける認知症高齢者へ漸進的筋弛緩法を実施し、データ収集・分析は終了している。研究目的としていた周辺症状を有する認知症高齢者への漸進的筋弛緩法実施による生理的・心理的反応の効果についての評価は行うことができた。今後は、得られた評価内容を公表していくことを考えており、おおむね計画通り進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果について、協力施設であるグループホームへ報告を行う。また、分析結果について看護学会にて発表することや、研究論文の作成・学会誌への投稿を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年8月31日より平成26年3月31日まで産前産後の休暇又は育児休業期間であったため、次年度使用額が生じた(平成26年1月23日付けで産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴う科学研究費助成事業の補助事業期間延長を行い、補助事業期間延長承認書を取得している)。 研究成果について協力施設への説明、学会発表、学会誌への投稿のため使用していく計画である。
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