2012 Fiscal Year Research-status Report
看護師のバーンアウトと離職の意思に対する集団認知行動療法の有効性に関する研究
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24792602
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
大植 崇 兵庫大学, 健康科学部, 助教 (80607789)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 看護師 / バーンアウト / 離職の意思 / 認知行動療法 |
Research Abstract |
【目的】:本研究の目的は,集団認知行動療法のプログラムを開発し,集団認知行動療法を行うことにより,バーンアウトや離職の意思を低減させることである。【方法】対象は,急性期病院に勤務する,臨床経験年数3年目の看護師110名に依頼した。実施手順は,プログラムの内容を、臨床での勤務体制の中で実施しやすいように3回に分割し、1週間に1回,合計3回のグループセッションを,研究者が作成したワークブックを用いて実施した。調査票の記入は,介入開始とセッション終了時点とセッション終了後3ヶ月の合計3回依頼した。評価指標は,バーンアウトの測定に,日本版バーンアウト尺度を使用した(久保ら,1992)。離職の意思の測定に,土江ら(1993)のカテゴリーを使用した。看護師の不合理な信念の測定にOhue et al.(2010)の尺度を用いた。自動思考の測定に,ATQ-R短縮版を用いた(大植ら,2012)。コーピングの測定には,尾関(1993)の「コーピング尺度」を用いた。それぞれの評価票を介入前,介入後,3か月後で測定した。【結果】: 全てのセッションに参加ができた64名(男性3名・女性61名)を分析対象とした。不合理な信念低郡と高郡を独立変数,介入後の値,3ヶ月の値を従属変数,ベースライン値を共変量する共分散分析を行ったところ,不合理な信念の「問題回避」,バーンアウトの「個人的達成感」の介入後3ヶ月で交互作用が有意であり,低郡は高郡に比べ,介入前より介入後に有意な低下が確認された(p<0.05)。また,不合理な信念の「無力感」,自動思考の「将来否定」「肯定的思考」,バーンアウトの「脱人格化」,離職の意思では「病院部署を変えたい」で主効果のみ有意な変容が確認された。【結論】集団認知行動療法は,看護師のバーンアウトや離職の意思の低減に有効であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画では、平成24年度にプログラムを開発して、平成25年度に介入をする予定であったが、平成24年度でプログラムを作成し、介入まで実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では、引き続き、介入研究を実施していき、今回開発したプログラムの有効性を検証する。次年度から、このプログラムの汎用性を狙った研究に取り組んでいきたい。つまり、誰でも、実施が可能なように、教育のプログラムを開発する計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度では、介入研究を実施するための、パンフレットの印刷や、病院施設までの交通費や、研究参加者への謝礼金、また、研究成果を公表するため、学会参加費として研究費を使用する予定である。
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Research Products
(11 results)