2012 Fiscal Year Research-status Report
退院直後の精神疾患患者への精神科外来における再発予防支援の構築
Project/Area Number |
24792607
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松島 亜希子 久留米大学, 医学部, 助教 (20586838)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精神疾患患者 / 精神科外来 / 再発予防 |
Research Abstract |
本研究は、急性期治療病棟を退院した患者が実際の退院後の生活で抱く困難点と、精神科外来で行われている援助の現状を明らかにし、再発予防に向けた支援を確立することを目的としている。 現在、厚生労働省は精神保健福祉の改革ビジョンとして、「入院医療中心から地域生活中心へ」の方策を推し進めており、精神科外来の果たす役割はますます重要になる。特に退院直後の患者は、イメージしていた退院後の生活と現実とのギャップに戸惑い、症状が不安定になることも予測され、再発予防のための生活への支援を行うことが重要である。精神科外来看護の充実を図ることで、患者の状態安定に影響を及ぼし、再入院率の低下や入院期間の短縮につながると考える。 今年度は、精神科外来患者に関する文献検索、専門的知識の提供者との打ち合わせを行い、今後実施予定である患者へのインタビュー調査の質問項目を検討した。既存文献によると、精神科外来患者は援助を求める反面、不安や緊張、抵抗感があり、葛藤を生じている複雑な状況にあると言われている。そこで、インタビュー調査では、外来通院に対する思いを調査項目に加える予定である。 また、本研究の予備調査として実施した、2回以上入院経験のある精神疾患患者の家族10名を対象としたインタビュー調査によると、家族は患者の再発に怯え、患者を支援していくうえで様々な困難や不安を抱えていることが明らかとなった。患者を支援していく上で、家族の果たす役割は大きいため、インタビュー項目には家族との関係性、特にキーパーソンとの関係性に焦点を当てて調査する予定である。 これらの知見を基に、今後精神科外来を通院している患者を対象としたインタビュー調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、急性期治療病棟を退院した患者が実際の退院後の生活で抱く困難点と、精神科外来で行われている援助の現状を明らかにし、再発予防に向けた支援を確立することを目的としている。 急性期治療病棟を退院した患者が実際の退院後の生活で抱く困難点を明らかにするためには、入院経験のある外来患者を対象としたインタビュー調査を実施する必要がある。そこで、インタビュー調査を効果的に実施し、より多くの知見を得るために、今年度は文献検討や専門的知識の提供者との打ち合わせに予定より時間をかけたため、当初の計画より遅れてしまった。今年度作成したインタビューガイドの項目は、退院後の生活や対人関係での困難点、家族との関係性、外来通院に対する思いであり、今後、精神科外来患者を対象にインタビュー調査を実施する予定である。 また、今年度は産前産後の休暇及び育児休業の取得に伴い、研究を中断せざるを得なかったため当初の計画より遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
急性期治療病棟を退院した精神疾患患者が実際の生活の中で抱く困難点と、精神科外来で行われている援助の現状を明らかにし、再発予防に向けた援助を確立するために、今後は以下の項目を予定している。 精神科病棟を退院して間もない患者の体験を明らかにするために、精神科急性期治療病棟を退院し1か月以内の精神科外来通院患者にインタビュー調査を実施する。さらに、より多くの患者のニーズを把握するために、インタビュー調査の結果を踏まえ質問紙を作成し、精神科外来に通院する患者を対象に質問紙調査を実施する。これらの調査で、精神科に入院経験のある患者が精神科外来看護に求める援助内容について明らかにしたい。 また、精神科外来で行われている援助の現状を明らかにし、今後の課題を抽出するために、入院施設を有する病院の精神科外来看護師を対象とした質問紙調査を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在、育児休業に伴い研究を中断しており、再開予定は平成26年7月1日であるため、平成25年度の研究費の使用はありません。
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