2012 Fiscal Year Research-status Report
保健師の専門職としての自己成長を促すプリセプターシップモデル
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24792608
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
山田 小織 福岡大学, 医学部, 講師 (60369080)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 保健師 / プリセプター / 現任教育 |
Research Abstract |
保健師現任教育において,ポートフォリオを活用したプリセプター制を導入するA市に着目し,プリセプター制導入の実態と課題を明らかにした。 A市のプリセプティ及びそのプリセプターを対象として,2012年8月に1回目,2013年3月に2回目の半構造化面接調査を実施した。半構造化面接調査の内容については,逐語録を縮約・表示し,質的に分析した。 1回目の調査では,ポートフォリオについて,プリセプティ及びプリセプターの両者は,記入や提出に伴う『負担感』や活用方法に関連する『困惑感』を抱いていることが明らかになった。プリセプター制についてプリセプティは,管理・指導に伴う『緊張感』,組織の期待に対する『不安感』を抱いており,プリセプターは自分がこれまでに受けてきた教育方法,あるいは自分が実施したいと考える教育方法との相違について『違和感』を抱いていること,その一方で,新たな取り組みの効果や指導者としての自己成長に対して『期待感』を抱いていることが明らかになった。 2回目の調査では,プリセプティはポートフォリオの活用が「自己の保健師としての能力や課題の明確化」へ,プリセプターは「指導者としての能力や課題の明確化」へつながると認識していることが明らかになった。また,ポートフォリオを介して両者は,「保健師活動の理念と事業の目的を確認(再確認)」し,「互いの性格や支援過程の特徴を理解」しながら,「効率的・効果的な指導方法・学習方法を模索」,「自己の支援技術を向上」させてきたことが明らかになった。特にプリセプターは,時間の経過とともに後輩の育成が自己の『使命』『成長の機会』と捉えるなど,プリセプター制に対する認識がポジティブに変化していた。今回の調査において,プリセプター制の機能には,教育ツールと組織体制が関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A市については調査実施機関にも協力を得ることができた為,当初の計画どおり全調査対象者へ半構造化面接調査を2013年8月及び2013年3月にも実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
A市及びB市のプリセプティとそのプリセプターを対象として,プリセプティとプリセプター双方の自己成長の要因とプロセスを明確化することを目的に半構造化面接調査を実施する。データに関する質的分析については,プリセプターシップモデルの構築を目指して,教育学及び保健学の学識経験者からスーパーバイズを受けることとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は調査実施機関(A市)の協力を得ることができ,半構造化面接調査日数が計画よりも少なかった。その為,旅費分相当分の繰越金が発生した。 平成24年度の繰越金に関しては,データに関する対象者への内容確認及び分析に関するスーパーバイズを受ける為の旅費として平成25年度に使用する。
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