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2012 Fiscal Year Annual Research Report

紙質文化財における彩色材が和紙の劣化に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 24800021
Research InstitutionTokyo National University of Fine Arts and Music

Principal Investigator

大原 啓子(貴田啓子)  東京芸術大学, 大学院美術研究科, 講師 (20634918)

Project Period (FY) 2012-08-31 – 2014-03-31
Keywords和紙 / 顔料 / 加速劣化試験 / セルロース / ヘミセルロース
Research Abstract

経年劣化した紙質文化財資料について、その保存方法、修復処置方法の開発がのぞまれている。従って、資料の劣化機構を解明することが必要である。本研究では、和紙の劣化に及ぼす彩色材料の影響を明らかにするため、和紙の主成分セルロースおよび和紙に特有の第二成分ヘミセルロースの劣化の化学反応について検討することを目的とした。
本年度は、加速劣化試料の作製(4カ月)と評価の一部を行った。顔料と和紙からなる紙質文化財資料をモデルとする試料を作製した。顔料は鉄を含むプルシアンブルーおよび銅を含む緑青を用い、紙は、ろ紙および和紙の楮紙および雁皮紙を用いた。顔料に含まれる遷移金属イオンの影響をより明確にするため、計画当初は入れていなかった鉄イオン、または銅イオンを過剰に含む試料も作製し、これらの試料を湿熱雰囲気または紫外線照射下における加速劣化試験に供した。
各試料のサイズ排除クロマトグラフィー(多角度光散乱検出器-蛍光ラベリング)測定の結果、分子量分布の経時変化と、酸化生成物量の経時変化が得られた。これより、セルロースの解重合、および酸化反応を検討することができる。楮紙の分子量分布の経時変化は、紫外線劣化のほうが湿熱劣化よりも低分子領域が大きく広がった分布を示した。また、2種の加速劣化後のカルボニル基量のプロットにおいて、紫外線劣化では、湿熱劣化よりも高分子側から立ち上がる傾向がみられた。湿熱劣化または紫外線劣化により楮紙の分子量が同程度に劣化した各試料のカルボニル基量を比較すると、紫外線劣化試料では湿熱劣化試料の約4倍のカルボニル基を含んでいた。紫外線劣化では、湿熱劣化よりも、酸化反応が進行しやすく、また、湿熱劣化では、紫外線劣化よりも、鉄イオンおよび低pH が分子量低下に及ぼす影響が大きいことが示された。

Current Status of Research Progress
Reason

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 湿熱およびUV加速劣化による楮紙の劣化挙動2013

    • Author(s)
      貴田啓子
    • Organizer
      マテリアルライフ学会
    • Place of Presentation
      京都工芸繊維大学
    • Year and Date
      20130705-20130706

URL: 

Published: 2014-07-24  

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