2012 Fiscal Year Annual Research Report
発生期酸素濃度が制御する脳構造構築メカニズムの解明
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24800042
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
堅田 明子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (00615685)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 神経発生 / エピジェネティクス / 細胞分化 / 低酸素応答 |
Research Abstract |
胎仔脳内は、通常培養系とは異なり低酸素状態(酸素濃度1-5%)にあり、とくに神経幹細胞からのアストロサイト分化には、低酸素シグナルが重要であることが明らかとなっている(Motoh et al, Stem Cells, 2012)。そこで、本研究課題のスタートである当該年度は、神経幹細胞の深層ニューロンおよび浅層ニューロンの分化誘導効率と培養時酸素濃度の影響から解析を始めた。ES細胞、もしくは胎生10日齢マウス胎仔脳より単離した神経幹細胞を異なる酸素濃度(2%:低酸素濃度、もしくは21%:通常大気酸素濃度)で神経分化誘導、培養した後、各神経細胞層に特異的なマーカー遺伝子の発現を免疫組織化学的手法を用いて解析した。その結果、低酸素濃度培養では、浅層ニューロンに特異的なCux2, Satb2等、様々なニューロンマーカーの発現が、通常培養時より上昇し、また時期的にも速い段階で発現するという知見を得られた。これらin vitroの培養系における現象が、in vivoでも認められるか検証するために、動物個体を用いた実験として、妊娠マウス(胎生11日齢)を高酸素チャンバー内(酸素濃度80%)で7日間飼育することで、胎仔における大脳新皮質の発生への影響を解析した。その結果、高酸素チャンバー内で飼育したマウスから得られた胎仔の大脳新皮質では、通常の大気中で飼育した場合と比較して、深層ニューロン層が厚く、浅層ニューロン層が薄い、また、深層と浅層ニューロン層が明確に分離しないという表現系を認めた。これは、in vivoにおいても酸素シグナルが大脳新皮質の発生において重要な機能を果たすことを示唆している。現在、酸素シグナルに関わる分子の同定とその機能解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)