2012 Fiscal Year Annual Research Report
DSB応答におけるATRの新規活性化機構及び機能の解析
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24800044
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
塩谷 文章 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 特任助教 (10627665)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | DNA損傷応答 / チェックポイント / ATR / Nbs1 / Rad17 / RPA / Chk1 / DNA修復 |
Research Abstract |
ゲノムの安定性を維持するDNA損傷応答の研究は、発がん機構の追求やがん治療の向上において重要な課題である。Ataxia telangiectasia-mutated (ATM)およびATM-Rad3-related (ATR)キナーゼはPI3K-like kinase (PIKK) ファミリーに属しDNA損傷応答の制御において中心的な役割を果たす。ATMは主にDNA二重鎖切断(DSBs)に応答するのに対してATRはDSBを含む様々なDNA損傷に応答する。しかしATRがどのように多様なDNA損傷に応答し、活性化されるかについては不明な点が多い。本研究ではDSB応答においてATRの基質であるChk1およびRPA32が二つの異なる機構でATR依存的にリン酸化されることを報告する。Camptothecin (CPT) によって誘発されるDSBs応答の解析から、Chk1のリン酸化はこれまでに知られているようにRad17に依存性であるが、一方、RPA32のリン酸化はMre11-Rad50-Nbs1 (MRN) 複合体の構成因子の一つであるNbs1に依存することを明らかにした。また、このRPA32のリン酸化におけるNbs1の機能はこれまで報告のあるATMの活性化やDSBs resectionにおける機能とは異なり、Nbs1とRPA32との直接的な結合に依存することが示した。さらにRPA結合を介したNbs1の機能はDNA損傷の修復に重要な働きをすることを示した。これらの結果より、Nbs1が一本鎖DNAセンサーとして働き、ATRの活性化を制御するという新たなNbs1の機能を明らかにした。またATRの活性化がRad17及びNbs1を介した二つの異なる機構によって制御されることから、DSB応答においてATRが二層性に機能しゲノムの安定性を維持することを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(9 results)