2012 Fiscal Year Annual Research Report
分散/制約最適化問題に基づく提携構造形成問題の解法
Project/Area Number |
24800048
|
Research Institution | 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ |
Principal Investigator |
沖本 天太 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 新領域融合研究センター, 融合プロジェクト特任研究員 (10632432)
|
Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
|
Keywords | マルチエージェントシステム / 分散制約最適化問題 / 協力ゲーム / アルゴリズム |
Research Abstract |
本年度の主な研究成果として, 高速なハイブリッド型の分散制約最適化アルゴリズムの開発を挙げる.本研究では,従来の協力ゲーム理論において,独立に考えられてきた3つの問題 (提携構造形成,提携内の利得の分配, 提携内での行動の最適化)を同時解決するアルゴリズムの開発を最終目標とし,平成24年度の研究目標は,集中型/分散型の制約最適化問題に基づく提携構造形成問題を効率的に同時解決するアルゴリズムの開発・実装を挙げている.協力ゲーム理論は利己的に行動する主体(エージェント)間で拘束力のある合意が可能な場合のエージェントの振る舞いに関する理論であり,ネットワークの発展により適用分野が拡大している.これら3つの各問題は密に関連しているにも関わらず,問題毎に求解するアルゴリズムしか存在しておらず,非効率的であり,大規模な問題に対応できない.そこで,本研究では,効率的に同時解決するアルゴリズムの開発を行った.提携構造形成問題は分散制約最適化問題として定式化でき,平成24年度は,その第一歩となる効率的な分散制約最適化アルゴリズムの開発を行った.分散制約最適化問題では,擬似木に基づく探索型の厳密解法の開発が重要である. これらの解法におけるメモリ使用量は,変数の数に対して多項式のオーダで抑えられるが,最適解を求めるのに多くの時間を要するという問題点がある.そのため,分散制約最適化問題では,どのようにして,擬似木に基づく探索型の厳密解法の実行時間を短縮するかが重要な課題となっている.平成24年度は,探索型の代表的な厳密解法と近似解法を組合せたハイブリッド型の解法を提案し,本アルゴリズムが既存の探索型の厳密解法と比べ,より高速に求解可能であることを示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では,平成24年度の研究目標として,集中型/分散型の制約最適化問題に基づく提携構造形成問題を効率的に同時解決するアルゴリズムの開発・実装を挙げている.研究代表者は,高速なハイブリッド型の分散制約最適化アルゴリズムの開発・実装を行っており,当初の計画どおり順調に研究を進めることができたと考える.
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の課題として,本年度は,提携構造形成問題の具体的な応用例を扱う予定である.さらに,提案アルゴリズムの実用化に向けて,さらなる効率化を考えている.
|
Research Products
(5 results)