2012 Fiscal Year Annual Research Report
規則性次元を用いた脳イメージングバイオマーカーの識別
Project/Area Number |
24800052
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Research Institution | The University of Aizu |
Principal Investigator |
PHAM Tuan Duc 会津大学, 先端情報科学研究センター, 教授 (70631472)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | MRI / Regularity dimension / Sample entropy / アルツハイマー型認知症 / 老化 |
Research Abstract |
アルツハイマー(AD)は認知症として一般的な症状で、脳萎縮症、及び、灰白質の減少による潜行性発症を特徴とする。非侵襲性のツールとして、高度脳イメージングは早期予測に優れており、認識能力が変化する過程を医学研究者が観察し、脳組織の形状変化を知る上で有用である。脳組織の変容性は、神経画像検査において臨床的に関連する情報を得るための有益なインジケーターになり得る。脳の複雑さと情報の次元を求める事で、大脳皮質の組織変容性を測ることと同様に、溝組織の複雑さを測る事も可能である。 本プロジェクトでは、早期ADと非痴呆老人についてMRIから得られた皮質表面の構造的複雑性を特徴づけるため、サンプルエントロピー(SampEn)とレギュラリティーディメンション(RD)を適用している。我々はMRIデータから実践的なモデルを構成することと、AD及び加齢による認知低下の早期予測のための新しい指標の実行可能性を検証する事を目標とした。 本研究の新規性は、SampEn及びRDを初めて脳構造の複雑性を調査するために適用した点にある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・SampEnとRDを計測する事により、実践的モデルが構築できた。我々は初めてSampEnとRDの手法をモデルに適用し、MRI上の脳構造の複雑さを定量化するため信号の複雑度を計測した。SampEnは形状の複雑さを一つの数値に変換する事により、定量化するための手法を提供する。RDは複数の解決策を統合するためエントロピー変数のmとrを選択するための方法を提供する。抽象空間においては、数値の微小な変化が計測、定量化されるため、複雑な連続データの動的な解析に適している。我々は本研究において得られた結果は従来のSampEnによる結果と概ね一致し、差異をSampEnより細かな表現で得られることがわかった。これはRDがエントロピーの情報を様々なスケールで統合することで、全てのデータに対して、変化量、データセットのサイズ、ノイズレベルの面においてより強固であるためである。SampEnとRDにより早期ADにおいて、皮質表面構造の不規則性の増加が示された。これは灰白質の量が減少する事によるものと思われる。 ・我々は老化により皮質構造の不安定性が増加する事を発見した。これは加齢による皮質構造の不安定性への悪影響があるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
正常な脳の認知力は老化による変化を示し、この場合、脳は全体的な量と重さの減少を示す。これは灰白質の萎縮と溝の広がりと脳室の拡大に関連がある。これらの形状の変化の計測と特徴づけは、病状の進行の理解と早期の予測と予防に貢献するものである。 HMMによる脳モデルを構築する事で、RDとセミVariogramを使用する事で脳MRIから有用な特徴を抽出する予定である。状態を推測するためにベクトル量子化法がHMMモデリングに適用される予定である。HMMの正確性と堅牢性は下記の点について評価される。 (1)個体毎の分類 (2)脳年齢の検出 これらは当初は2次元画像から1次元信号を抽出し、算出されるが、HMMが構築されれば3次元画像に拡張される予定である。
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Research Products
(3 results)