2013 Fiscal Year Annual Research Report
リポソームから組み上げる骨疾患治療用バイオマテリアルの開発
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24800061
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福井 有香 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (50635836)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | リポソーム / 多糖 / DNA / リン酸カルシウム / ナノカプセル / 骨 / 有機無機ハイブリッド / DDS |
Research Abstract |
本年度は、骨疾患治療用バイオマテリアルの開発にむけて以下の1,2について検討を行った。 1.骨標的指向性薬物送達システムの開発に向けたハイブリッドリポナノカプセルの作製 多様なリン酸カルシウム(CaP)層の創製と骨疾患への最適化を目指して、カチオン性多糖であるキトサンのリン酸化を行いCaP親和性の付与を行った。まず、P2O5をキトサンと反応させることで、リン酸化キトサン(P-CHI)を合成し、リポソーム表面へ積層化を行った。次に、ナノカプセルのハイブリッド化に向けて、リポナノカプセルの内外から異種イオンを相互拡散させる方法(Counter-diffusion法)により、リポナノカプセル表面でCaPの析出を行い、電子顕微鏡による形状観察およびX線回折を用いたCaPの結晶構造解析を行った。得られたナノカプセルについて、表面特異的なCaPの析出がみられた。また、P-CHIのリン酸化度によって結晶構造の異なるCaPが得られた。これらのことから、P-CHIの吸着量やリン酸化度の調節によって、CaP層の厚みや結晶構造の調節、また溶解性といった物性を制御することが可能であり、キャリアの骨形成能の最適化につながると考えている。 2.骨修復能を有する骨補填材の開発に向けたリポナノカプセルの組織化 カプセル型骨補填材として、ナノカプセル表層と架橋剤を反応させることで、リポナノカプセルの組織化を目指した。P-CHIを表面に有するリポナノカプセルに架橋剤を加えて、キトサン由来のアミノ基間の架橋を促したところ、散乱強度の増大がみられリポナノカプセルの会合が示唆された。このとき、pHやP-CHIのリン酸化度によって会合体のサイズを調節することが可能であった。以上より、骨欠損部において、ハイブリッドリポナノカプセルを集積化および組織化させることが可能であり、骨形成を誘導する骨補填材の作製につながると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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