2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24800066
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
紙上 敬太 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (20508254)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 子ども / 小児肥満 / 認知機能 / 実行機能 / 事象関連脳電位 |
Research Abstract |
今日,子どもの運動量は減少し,また食生活の欧米化が急速に進み,それに伴う体力の低下,肥満傾向児の増加が懸念されている.慢性的な運動不足や肥満が,現代の主要な健康問題のひとつである小児生活習慣病の引き金になることは周知の事実である.さらに,近年の研究では,肥満の子どもは標準体重の子どもに比べて,学力が低いことが示されている.つまり,標準体重の維持は子どもの脳の健康,脳の健全な発達に重要なのかもしれない.しかしながら,子どもを対象に肥満度と脳の健康の関係を検討する研究は端緒についたばかりであり,未だ不明な点が多い.本研究では,認知機能(特に実行機能)を客観的に評価する指標として事象関連脳電位を用いて,認知機能という側面から小児肥満と脳の健康の関係を明らかにすることを目的としている. 本研究では,認知機能の中でも特に学力と密接に関わると考えられている実行機能に焦点を当てている.参加者(小学3~5年生の児童)に実行機能を要する2つの認知課題を行わせ,認知課題遂行中の認知パフォーマンスと事象関連脳電位を計測し,実行機能を評価している.現在,約30名の児童からデータを取得している.本研究は,標準体重の子どもと肥満傾向児の認知パフォーマンス,事象関連脳電位を比較する横断的研究デザインを採用しているため,さらにサンプル数を増やす必要がある.よって,平成25年度も引き続き同様の実験を継続し,サンプル数を増やしていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予想以上に,実験参加者の募集に苦戦し,また,倫理委員会の承認を得るまでに時間がかかった.しかしながら,1年目に予定していた30名分のデータを取得できたため,おおむね順調に進展していると判断する.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究目的を達成するためには,さらにサンプル数を増やす必要がある.よって,今度も同様の実験を継続し,サンプル数を増やしていく予定である.
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