2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の筋の同時活動戦略に着目した新たな姿勢制御能力改善プログラムの創出
Project/Area Number |
24800072
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
永井 宏達 京都橘大学, 健康科学部, 助教 (00633348)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 姿勢制御 / 高齢者 / バランス / 同時活動 / 筋電図 |
Research Abstract |
主動作筋と拮抗筋が同時に活動することを筋の同時活動(coactivation)という.一般に,関節に生じる過剰な同時活動は「力み」として表現される.姿勢制御場面での同時活動の増大は,関節の固定性を高め,姿勢や動作の安定性を向上させることに貢献するとされている.一方で,同時活動の増大は関節の自由度を制限することから,非効率的な姿勢制御戦略となる可能性がある.しかしながら,同時活動の増大そのものが,姿勢制御にどのような影響を直接的にもたらすのかは明らかになっていない.本研究は,筋の同時活動の増大が高齢者の姿勢制御に及ぼす直接的影響を明らかにすることを目的とした. 対象は地域在住健常高齢者名34名(平均年齢73 ± 5歳)とし,対象者を層化ブロックランダム割り付けにより,随意的に同時活動を増大させる群(同時活動群)17名,対照群17名に分類した.測定課題は,安静立位において前後方向にランダムに床面を移動させる課題とし,その際の姿勢反応を測定した.同時活動群にのみ,立位で拮抗筋となる前脛骨筋の筋活動を,50%MVC(最大随意収縮)程度まで随意的に増大させる練習を視覚的バイオフィードバックを用いて実施し,外乱発生前の安静立位で再現できるように指導した.同時活動群にはその状態で前後計10回の外乱を加え,対照群には安静立位での外乱を同様の回数実施し測定を行った. 結果、同時活動が増大することで,前方移動条件では,下肢関節の角度の変化が減少し,体幹の後方への動揺が増大していた.また,後方移動条件では,外乱後早期の足関節,膝関節の角度変化が減少していた.COPの移動量は両条件において減少していた.これらの結果より,同時活動増大は,下肢関節の運動抑制につながる一方,特に前方へ床の外乱の際には,体幹による代償を増大させる戦略(体幹ストラテジー)をとることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)