2013 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能障害における複数認知機能の同時障害のためのリハビリテーションの開発
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24800086
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Research Institution | 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) |
Principal Investigator |
幕内 充 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 研究室長 (70334232)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 言語 / 脳 / ワーキングメモリ / 文処理 / 人工文法 / 記号列操作 / ヒト / 高次脳機能障害 |
Research Abstract |
高次脳機能障害においては言語・記憶・注意などの認知機能が同時に障害されている例が多く、失語症や記憶障害のみの純粋症例は少ない。本研究では複数の認知機能が障害されることが多いという高次脳機能障害の特徴に着目し、各認知機能間、特に作業記憶との協働が、高次脳機能の正常な発現に重要であることを証明しようと試みた。また作業記憶を必要とする記号列操作能力が言語・計算・遂行能力に領域横断的に関与していることを示し、これらの結果から得られた記号列操作モデルに基づき、高次脳機能障害の効率的リハビリテーションを開発することを目標とした。 第1実験として、健常者を対象として単語知識・記憶・注意・計算に関する検査を行い、文章読解試験の成績との相関を調べると、ワーキング・メモリ容量と読解成績の相関が見出された。特に、複雑なワーキング・メモリ課題である、オペレーション・スパン・テストの成績が読解成績と比例した。第2実験では、前実験の結果を踏まえて、読解能力とワーキング・メモリ容量と記号列操作能力の関係を調べた。記号列操作課題として、人工文法と呼ばれる、ある種の規則に従って産出されるアルファベット文字列の記憶課題を導入した。この記憶課題遂行に伴い、文字列産出規則が無意識に学習される。この学習の成績も調べた。この実験は現在進行中であり、人工文法学習課題の成績とワーキング・メモリ容量と読解成績との関係はまだ結論が出ていない。しかし、これまでの分析で、人工文法学習課題の成績が、文字列の出現時間間隔に影響されることが見出された。この時間成分に関する発見は、言語能力とワーキング・メモリ容量との関係を考える上で重要な因子であることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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