2013 Fiscal Year Annual Research Report
サル内包梗塞モデルを用いた脳機能回復メカニズムの解明
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24800090
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
村田 弓 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジ―研究部門, 研究員 (80512178)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 神経可塑性 / リハビリテーション / 霊長類 / 精密把握 / 上肢機能 / 脳卒中 |
Research Abstract |
構築した内包損傷モデルを用いて、損傷前後の損傷部位の経時的変化、および把握機能の経時的変化を調べた。 MRIのT2強調画像で白い高信号として見られる脳領域は浮腫と考えられるため、損傷後のT2強調画像の高信号領域の経時的変化を調べた。その結果、エンドセリン-1投与後、1週間後まで高信号領域が拡大し、その後、損傷3か月間にわたってT2高信号領域は減少した。 把握運動機能を評価するために7㎜角のイモを直径20㎜のパイプから取りだす課題を用いた。損傷前は母指と示指でイモを保持することができたが、エンドセリン-1投与後は、課題装置への到達運動(リーチ動作)は可能であったが、イモを母指と示指で把握することが困難となった。損傷後には、母指と示指でつまむことができず、示指でイモを巻き込んで把握するような代償的な把握方法を使って取る様子が認められた。T2高信号が減弱した後も代償的な把握動作の使用を続けた。また、T2高信号領域の体積とつまみ動作遂行の成功率を比較すると、損傷後3日目から1週間後は負の相関関係が認められたが、損傷後2週間後から3か月後では相関が認められなかった。このことから、損傷後2週間後にはMRIで見えない脳のダメージがあり、把握動作に影響を与えている可能性が示唆された。以上の結果から、エンドセリン-1を用いてサルの内包に局所的な損傷を作成するモデルを構築し、この損傷によって協調した手の運動が長期に影響を受けることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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