2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗HIV薬創製に向けたインゲノール類の構造活性相関研究
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24810001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大好 孝幸 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90639303)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 13-オキシインゲノール / 構造活性相関研究 / HIV活性 / PKC活性 / 天然物化学 |
Research Abstract |
13-オキシインゲノールは1974年トウダイグサ科の植物であるカンスイより単離されたジテルペンであり、その誘導体は非常に強い抗HIV活性を示す。今回、抗HIV活性試験の前にインゲノール類に見られるPKC活性を測定した。全合成の知見を基に13-オキシインゲノールの人工類縁体を多数合成しPKC活性を測定した。その結果、天然物ではPKC活性を示さないがC-3位を官能基化することで強いPKC活性を示すことを明らかにした。また、13位に酸素官能基を有さない類縁体であるインゲノールも同様に類縁体を設計、合成し13位酸素官能基のPKC活性に関する影響を調べ、13位の酸素官能基はPKC活性にはほとんど影響がないことを明らかにした。この知見は今後HIV活性試験をする上で重要な知見である。 一方、さらなる構造活性相関研究のためインゲノール類の効率的合成経路の確立をめざしインゲノールの合成研究も行った。その結果、インゲノール類の核となるinside-outside炭素骨格の構築を達成した。また、その過程で13-オキシインゲノールの合成ではほぼ定量的に進行していたアルキル化が13位に酸素官能基を持たないインゲノールの合成では位置異性体が副生し収率は中程度にとどまった。たった一つの官能基の違いにより反応性が異なることは合成化学の視点から考え興味深い知見である。しかし、13-オキシインゲノールの全合成で得られたその他の知見に関してはほぼ同様の反応性を示し、開発した13-オキシインゲノールの合成法はインゲノールの合成を行う上で効率的な合成ルートであることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
13-オキシインゲノールおよびインゲノールの人工類縁体を多数合成し生物活性を評価した。また、構造活性相関研究のための効率的合成経路の確立をめざしインゲノールのinside-outside炭素骨格の効率的合成経路を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたPKC活性の知見を活かし、さらなる構造活性相関研究を展開する予定である。また、インゲノール類の効率的合成経路を確立し、インゲノールの全合成を目指す。
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Research Products
(3 results)