2012 Fiscal Year Annual Research Report
常温で液体のビオロゲン型イオン液体の創製と電気化学特性の評価
Project/Area Number |
24810020
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田原 弘宣 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80631407)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2013-03-31
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Keywords | イオン液体 / ビオロゲン / 溶融塩 |
Research Abstract |
ビオロゲン型イオン液体の合成のため、アルキルビオロゲンの側鎖の分子設計として以下の項目について検討を行った。(1)オリゴエチレングリコール型ビオロゲン、(2)枝分かれ型アルキルビオロゲン、(3)非対称型アルキルビオロゲン。ただし、対アニオンはビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドで一本化した。 まず(1)について、エチレングリコールユニット数を1,2,3の3種類の対称ビオロゲンを合成し、示差走査熱量分析(DSC)によって融点を確認したところ、融点はいずれも摂氏70度以上であった。次いで、(2)についてイソペンタンを側鎖に持つビオロゲンを合成したが、この融点も摂氏114度であった。一方で、(3)について、炭素数が4と7のビオロゲンについて対称型・非対称型の双方について検討した結果、C4とC7のビオロゲン(C4VC7)が融点摂氏53度と、低融点を示した。 (3)のC4VC7についてDSCサーモグラムを詳細に解析したが、試料融解後の降温過程での明確な凝固点を得ることが出来なかった。しかし、融解状態から降温過程での温度可変UV-vis吸収スペクトル測定から、摂氏15度付近にスペクトルの急激な変化が観測された。これは、C4VC7の液体から固体への凝固過程に由来するものと考えられる。 室温で溶融状態のビオロゲンが得られなかったため、今後の比較として、これらのビオロゲンの側鎖がビオロゲン部位に与える電子的な影響を考察するために、アセトニトリル中で サイクリックボルタンメトリーによる電気化学測定を行った。ビオロゲンの還元電位は、いずれの分子設計でほぼ変化はなく、ビオロゲン部位への電子的影響はないことが分かった。この情報をもとに、無希釈のビオロゲン型イオン液体の電子物性について主に電気化学測定を通して評価する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)