2012 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ熱帯林における持続的な開発と保全のための実践的地域研究
Project/Area Number |
24810021
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
松浦 直毅 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教 (60527894)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | アフリカ / 熱帯林保全 / 地域開発 |
Research Abstract |
本研究の目的は、アフリカ熱帯林のふたつの保護区(ガボン:ムカラバ・ドゥドゥ国立公園、コンゴ民主共和国:ルオー学術保護区)において、地域社会の特徴に応じた開発モデルを検討することによって、実効性のある保全政策を提案することである。 本年度はまず、熱帯林保全と地域開発に関する文献を収集し、課題抽出につとめた。次に、これまでの現地調査で得られた、地域住民による自然資源利用に関するデータの解析をおこなった。ガボンのムカラバ・ドゥドゥ国立公園における獣害状況とその対策について、英語論文を執筆し、投稿準備中である。 2013年3月にコンゴ民主共和国で実施予定であった現地調査については、現地状況などの都合により、計画を変更して2013年8~9月におこなった。ここでは、(1) 人類学的な観点から、社会経済状況を明らかにする、(2) 住民組織や諸アクターの分析によって、保護と開発の現状を明らかにする、(3) 地域開発事業の立案と実施を通じて、有効な開発モデルを考案する、という3点の課題を設定した。(1) については、地域住民の生活実態と社会関係について、聞きとりと観察によってその現状を把握した。(2) については、地域内で実施されている開発と自然保護のプロジェクトに関して、国際NGO、行政、研究機関などの関係者への聞き取りを実施した。(3) については、地域の住民組織がおこなう農業活動や家畜生産の取り組みを参与観察によって調べた。 以上を通じて、アフリカ熱帯林の住民生活と開発や自然保護活動の相互関係や、両者のあいだの対立と課題が明らかになった。次年度は、これらの状況を分析して学術的成果としてまとめるとともに、地域住民と協働しながら、実践活動のあり方について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献収集と先行研究のレビューおよび、これまでに蓄積してきたデータの分析と論文執筆は順調に進められた。現地調査に関しては、2013年3月に予定していたコンゴ民主共和国への出張は延期することになったが、2013年8~9月に実施でき、全体の計画に大きな支障はなく、十分な成果が挙げられた。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年3月に予定していたコンゴ民主共和国への出張を2013年8~9月に計画変更したが、その分、2012年度中にこれまでに収集したデータ解析を十分進めることができた。2013年8~9月の現地調査の成果についても、現地調査後にすみやかにまとめられる準備が整っている。次年度の活動と合わせて、2年間の計画全体として当初の目標を達成できる状況にある。
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Research Products
(7 results)