2012 Fiscal Year Annual Research Report
南極有数規模の沿岸ポリニヤの形成機構とそこでの海氷生産量の定量的見積もり
Project/Area Number |
24810030
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
田村 岳史 国立極地研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 助教 (40451413)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 極地 / リモートセンシング / 気候変動 / 海洋物理・陸水学 / 環境変動 |
Research Abstract |
1. 海氷(薄氷厚)アルゴリズムの高精度化に必要な現場観測データの取得 平成24年9~10月に行われた豪州主催の国際南極海氷観測に参加した。Massom、Lieser、Williams三博士が豪州側の研究協力者である。この観測は、東経120度付近のドルトンポリニヤを含む海氷域で行われた集中観測で、得られた現場観測データによって薄氷厚アルゴリズム(Tamura et al., 2007)の高精度化が期待される。なお、この観測で申請者は日本から、人工衛星に積んであるマイクロ波センサーと全く同じセンサー(三菱電機製)を積んだ携帯型の放射計(北大・低温研所有;大島教授が日本側の研究協力者)を持ち込み、これをヘリに搭載して観測を行って、現場検証を行った。本研究課題がターゲットとしているポリニヤ域でのヘリ観測に成功し、世界初となる沿岸ポリニヤでのヘリマイクロ波現場データの取得に成功した。現在、観測データの解析処理を行ってる。 2. 定着氷の取り扱いに関わる検証 沿岸ポリニヤを正確に検出する為には、定着氷の位置やその変動を検出することが不可欠であり、薄氷厚アルゴリズムの高精度化にもこれは欠かせない。これまでの薄氷厚アルゴリズム(Tamura et al., 2007)は、85GHz周波帯のマイクロ波データを用いて、定着氷検出アルゴリズムを作成してきたが、上記の現場観測の結果から、36GHZ周波帯のマイクロ波データを用いても、定着氷を検出できる可能性が示唆された。現在、これについても解析処理を行っている。これは、定着氷検出アルゴリズムの高精度化につながる結果であり、薄氷厚アルゴリズムの高精度化に直結する。 このように、交付申請書に記載した「研究の目的」及び「研究実施計画」について、上記のように直接的に研究目的に対して成果を上げる事となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述のように、交付申請書に記載した「研究の目的」及び「研究実施計画」について、直接的に研究目的に対して成果を上げる事となった為。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、(1)「現場観測データを用いた、海氷(薄氷厚)アルゴリズムの高精度化」について知見を論文にまとめ、(2)「定着氷の取り扱いに関わる検証」を行って定着氷検出アルゴリズムの高精度化につなげ、(3)貴重な冬季の現場観測データを取得して上記のアルゴリズムの高精度化を行う。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Antarctic Bottom Water production by intense sea-ice formation in the Cape Darnley Polynya2013
Author(s)
Ohshima, K.I., Y.Fukamachi, G.D.Williams, S.Nihashi, F.Roquet, Y.Kitade, T.Tamura, D.Hirano, L.Herraiz-Borreguero, I.Field, M.Hindell, S.Aoki, and M.Wakatsuchi
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Journal Title
Nature Geoscience
Volume: 6(3)
Pages: 235-240
DOI
Peer Reviewed
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