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2012 Fiscal Year Annual Research Report

不定語と助詞によって構成される副詞の歴史的研究

Research Project

Project/Area Number 24820004
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

川瀬 卓  弘前大学, 人文学部, 講師 (80634724)

Project Period (FY) 2012-08-31 – 2014-03-31
Keywords副詞 / 不定語 / 日本語史 / 言語変化
Research Abstract

本研究は、不定語と助詞によって構成される副詞について個々の語の歴史を明らかにするとともに、日本語史や言語変化に関する知見を得ることを目的としている。本年度8月31日以降における研究の業績は以下のとおりである。
1.発表(講演)「副詞の歴史的研究における課題と可能性」平成24年度(2012年度)第54回弘前大学国語国文学会大会、2012年11月、於弘前大学
2.論文「副詞の歴史的研究における課題と可能性」『弘前大学国語国文学』第34号、2013年3月、弘前大学国語国文学会
1は副詞研究の現状を整理し、自己の研究成果を紹介しつつ副詞の歴史的研究における今後の課題と可能性を述べたものである。問題点を整理することで、副詞の歴史的研究および日本語史研究の今後の方向性を示した。1は修正、加筆のうえ、2として論文にまとめた。
そのほか、「どうやら」「どうも」「どうぞ」「どうか」について調査および分析を行った。「どうやら」に関しては、本研究課題の研究開始期間より前に行った発表「副詞「どうやら」の史的変遷」(平成24年度九州大学国語国文学会、2012年6月、於九州大学)で得られた意見等を踏まえて調査と考察を進めた。また、「どうぞ」「どうか」に関しては、次年度の学会におけるパネルセッション(ワークショップ)に向けた企画打ち合わせも行った。いずれの副詞についても、個々の語の歴史として興味深いだけでなく、日本語史や一般的な言語変化に関する知見が得られる見通しが立っている。次年度はさらに考察を進め、研究成果を発表していく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題の研究目的のうち、不定語と助詞によって構成される副詞について個々の語の歴史を明らかにするという点は、調査や分析を行い、さらに次年度の学会発表や論文作成に向けて準備が進んでいる。
日本語史上の問題に関する知見を得るという点についても、個々の語に関する調査と分析を行う過程で、ある程度目的が達成できている。その一端は、論文「副詞の歴史的研究における課題と可能性」において述べた。また、次年度のパネルセッション(ワークショップ)に向けた企画打ち合わせをする中で、日本語の対人配慮表現の歴史を明らかにすることに本研究が貢献できるという見通しが得られている。
言語変化に関する知見を得るという点についても、たとえば「どうやら」の歴史的変遷の考察の中で、ある程度の見通しが得られている。これに関しては、本研究課題の研究開始期間より前に行った学会発表で指摘された問題解決のために、追加の調査や考察をまだ必要とする。
以上のように、当初の研究目的に関して、中間地点である現時点としてはおおむね達成されていると評価できる。

Strategy for Future Research Activity

最終年度である次年度については、本年度の研究において見えてきた問題点の解決を図るため追加の調査と分析を行ったうえで、学会にて成果を発表し、そこでのフィードバックを反映させて論文を作成する。
まずは、まだ成果の発表に至っていない「どうも」について学会発表を行い、論文としてまとめる。「どうぞ」「どうか」についてはパネルセッションに向けた打ち合わせを再度行ったのちに、学会で発表し、論文作成を行う。
「どうやら」については、助詞「やら」の歴史的変遷もあわせて考察することの必要性が浮き彫りになってきた。さらに「やら」だけでなく、助詞「ぞ」「か」なども考察の必要性がある。「やら」「ぞ」「か」は地理的変異(方言差)についても配慮しつつ、それらの助詞の張り合い関係の変遷(歴史)を明らかにしなければならない。助詞の変遷はテーマとして広がりのある大きい問題であるだけに、その全容を十分に明らかにするためにはかなりの時間を要すると思われる。したがって、研究期間内に終わらせることは難しいが、先行研究の整理と基礎的な調査を行うことで、少なくとも大きな見通しが得られるようにする。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Journal Article] 副詞の歴史的研究における課題と可能性2013

    • Author(s)
      川瀬卓
    • Journal Title

      弘前大学国語国文学

      Volume: 34 Pages: 1-20

  • [Presentation] 副詞の歴史的研究における課題と可能性

    • Author(s)
      川瀬卓
    • Organizer
      平成24年度(2012年度)第54回弘前大学国語国文学会大会
    • Place of Presentation
      弘前大学
    • Invited

URL: 

Published: 2014-07-24  

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