2013 Fiscal Year Annual Research Report
イバード派イスラーム思想における人間関係論の形成と展開
Project/Area Number |
24820009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 洋平 東京大学, 総合文化研究科, 特任助教 (20634140)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 宗教学 / 思想史 / イスラーム / イバード派 / 人間関係論 / 神学 / 法学 |
Research Abstract |
平成25年度は、前年度の研究実施計画を継続しつつ、西暦10世紀のオマーンの学者クダミーとビスヤウィーの思想を究明した。具体的には、「ワラーヤ」、「バラーア」、そして「ウクーフ」の実際的適用と深く関わりのある、「真理の規定」、「外面の規定」そして「条件の規定」という3つの相に関する議論を取り上げた。そしてこのうちの「条件の規定」について、この「条件の規定」により、ある人間にワラーヤを認めること、またバラーアを宣告するという行為において、たとえその判断が誤っていても、判断した者がその誤りによって罰せられることはない、という仕組みが整えられていたことを明らかにした。 またイバード派共同体内における人間関係の具体的実践に関連する、同派における罪の概念、またバラーアの宣告の実際を考察した。そしてイバード派においては、罪を犯すことに対しては厳しい態度が向けられていること、他方、罪を犯した信徒に対して、悔悟を求めることなどを通じて、できるだけバラーアの宣告をしないような対応がとられていたことを明らかにした。 また広く人間関係の範疇に含まれる、婚姻関係に関する議論を取り上げた。すなわち、西暦8世紀から12世紀のイバード派の学者が、イバード派信徒のイスラームの他派との婚姻をどのように理解していたのかを考察した。さらにイバード派内における指導者論のうち、イマームと臣民の関係について概観した。 こうした成果を踏まえ、本研究課題であるイバード派の人間関係論の特質をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)