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2013 Fiscal Year Annual Research Report

文化史としての楽器開発--20世紀前半フランスの電子楽器を事例として

Research Project

Project/Area Number 24820016
Research InstitutionTokyo National University of Fine Arts and Music

Principal Investigator

大矢 素子  東京藝術大学, 大学院音楽研究科, 研究員 (40632253)

Project Period (FY) 2012-08-31 – 2014-03-31
Keywords楽器学 / 美学
Research Abstract

本年は,20世紀前半フランスにおける産業と新楽器製作の関わりを主題に調査を行った.その結果,20世紀前半のフランスで開発された電子楽器は,科学技術に対するオプティミスティックな期待を象徴し,新規産業の一端として認識されていたことが明らかになった.例えば,1925年にパリで開かれた,装飾美術・産業美術の国際博覧会において,最新技術を応用して用いられた電子楽器は,産業が豊かに繁栄し,前進していることの証左として陳列された.あるいは,1927年に開催された科学と芸術の博覧会内で,エッフェル塔ラジオ技師であったジヴレが開発した新楽器を,時の共和国大統領が聴取した事例が挙げられる.後者において,最新科学技術を応用した電子楽器の奏でる《ラ・マルセイエーズ》に耳を傾ける大統領の姿は,科学と文明の立国を目指す国家にふさわしいイメージを作り上げていた.さらに,1937年に開催されたパリ万博においては,オブホウの開発した「鳴る十字架」や,マルトノによるオンド・マルトノといった電子楽器が,「光と水と音楽の祭典」の近代的イメージを演出する上で,重要な役割を果たしていたことが明らかになった.とりわけ,オブホウが記し,作曲家のラヴェルを始め当時の知識人の話題を集めた奇書『生命の書』が,鳴る十字架の神秘的音響イメージと連動して語られたように,当時の人々にとって,新楽器の披露は未知の技術を興業として享受する場でもあった.さらに,パリ国立高等音楽院校長であったデルヴァンクール関連のアーカイヴ資料を調査した結果,マルトノが第二次世界大戦の以前から,数年にわたり,副科の授業をパリ国立高等音楽院で開催していたことが明らかになった.

Current Status of Research Progress
Reason

25年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

25年度が最終年度であるため、記入しない。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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