2013 Fiscal Year Annual Research Report
破局の経験から共生の倫理へ:レヴィナス思想の現代史的意義に関する研究
Project/Area Number |
24820044
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
渡名喜 庸哲 東洋大学, 国際哲学研究センター, 研究助手 (40633540)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | エマニュエル・レヴィナス / 破局 |
Research Abstract |
本年度は、「破局の経験から共生の倫理へ:レヴィナス思想の現代史的意義に関する研究」と題された研究の2年目(最終年度)であった。 主に、1)レヴィナス思想における「破局」の問題についての理論的検討と、2)関連する同時代の哲学の文脈における「破局」論に関するフォローおよび研究成果公表、という研究計画において構想していた二点について着実に研究を進めたことに加え、3)こうした理論的作業が現代的な文脈においてもちうる意味に関するリサーチをも行うことができた。 具体的には、1)に関しては、関連する文献の収集を昨年度に継続して行いつつ、その成果を、6月に行われた京都ユダヤ思想学会において報告した。「レヴィナス『捕囚ノート』の射程」と題したこの報告は、レヴィナスが第二次大戦中に拘留されていた捕虜収容所でつづった手帳の意義を論じたものである。なお、この手帳を含む『レヴィナス著作集』第1巻の共同翻訳作業も進め、本年度中に公刊した。 2)に関しては、シモーヌ・ヴェイユおよびギュンター・アンダースに関する研究を進めた。アンダースについては、フランスにおけるアンダース研究の第一人者であるクリストフ・ダヴィッド氏(レンヌ大学)来日に合わせ、研究会を開催した。また、昨年度に公刊したジャン=リュック・ナンシー『フクシマの後で』の翻訳の成果に基づき、現代西洋哲学における「破局」の問題に関して、一橋大学にて招待講演を行ったほか、海外出張を行ない、香港中文大学、パリ第七大学において研究成果を公表した。 3)に関しては、福島県福島市、いわき市、双葉郡(5月、9月、11月)および広島市 (11月)に赴き、当地でインタビューや関連施設の見学を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)