2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24820056
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
福山 佑子 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (40633425)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | ローマ皇帝 / ダムナティオ・メモリアエ |
Research Abstract |
今年度は、昨年度行った碑文史料の調査結果を踏まえ、叙述史料の分析を中心に研究を進めていった。スエトニウス、カッシウス・ディオの記述を中心に、アウレリウス・ウィクトル、エウトロピウス、ラクタンティウスなど、後の時代の著述家たちの記述も対象にしながら研究を行った。その中で、ダムナティオ・メモリアエがローマ世界に生きた人々にどのように捉えられていたのかという問題を分析し、その結果の一部を研究報告と論文という形でまとめた。ここでは、皇帝に対する処罰が神々の意向の結果であり、「悪帝」が「神々の敵」とみなされていたかどうかという点からダムナティオ・メモリアエを考察した。帝政後期に頻繁に目にすることとなる「悪帝」は「神々の敵」であるという表現が、帝政前期には歴史叙述では見られないものの、皇帝を批判した文学作品においては確認できることから、既にドミティアヌスの時期にはこのような考え方が生じていたことを明らかにした。 この内容を、10月にはThe Tenth Japan-Korea-China Symposium on Ancient History of Europeにおける口頭報告”The Intervention of Gods in the Punishment of “Bad” Emperors in the Historia Augusta” として発表し、Journal of Greco-Roman Studies 52 (2013)に論文として発表している。 夏季休業期間中には、オーストリアとドイツにおいて文献調査、史料撮影を行った。文献調査ではミュンヘンのバイエルン州立図書館を利用した。また、ドミティアヌスに関連する貨幣、彫像、碑文の調査を、ウィーン美術史美術館、ミュンヘンのグリュプトテーク、バイエルン州立考古学博物館、バイエルン州立貨幣収蔵館において行った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)