2013 Fiscal Year Annual Research Report
隋唐洛陽城の水環境からみた穀倉と漕運の発展について
Project/Area Number |
24820075
|
Research Institution | The Toyo Bunko |
Principal Investigator |
宇都宮 美生 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (10638985)
|
Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
|
Keywords | 東洋史 / 隋唐洛陽城 / 水利 / 穀倉 / 漕運 / 運河 |
Research Abstract |
今年度は漕運を中心に研究し、江南地域から黄河までの旧運河の調査を行うことで、洛陽の穀倉へ運搬するために利用された漕運の実態を考察、分析した。特に、漕運の発展は穀倉の発展に直接結びつくことになるため、前年度の倉の研究成果を踏まえ、運送と保管のシステムをより具体的に解明して都城への経済的影響あるいは貢献について考察した。まず、古地図や衛星写真の収集と分析、考古調査結果を踏まえて運河跡をめぐり、場所の比定および現在の地形との比較を試みた。ベン河の終点である開封から出発し、その河道跡と思われる場所に沿って南下し、清代に黄河が流入して形成された洪沢湖の周辺と、淮河から揚州にいたるルート上に点在する運河遺跡と古城を調査して古代の運河の状況を把握した。この旧運河の幅や深さ、開鑿された場所の環境、発見された沈没船のサイズを把握することで、未調査の洛陽城内への漕運ルートを復元する参考資料とし、洛陽市東部の旧運河の位置を比定し、揚州から洛陽までのルートを再構築した。また、東アジア比較都城史研究会主催の調査旅行に参加し、現地情報だけでなく、日本史、考古学、朝鮮史および都城史の専門家の意見を得て、本研究の考察の参考とした。さらに、同地域の運河での貿易の数値データを用いてGIS地図を作成し、江南地域の運河の形態と発展過程についてより深く考える機会を得て、学会で発表した。洛陽地域の倉の設置場所が、単に水路に近いというだけでなく、地形や河川の性質などさまざまな地理的条件における共通点と相違点などを理解した。これらの成果は個人のウェブサイトを作成して、情報を開示している。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|