2012 Fiscal Year Annual Research Report
中学校美術科における生徒の動機づけ及び価値意識を高める題材及び指導方法の研究
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24830003
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
花輪 大輔 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (70633155)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 美術科教育 / 動機づけ / 価値意識 / 絵画表現能力テスト |
Research Abstract |
本研究は、中学校美術科において、生徒の美術科に対する動機づけ及び価値意識を高めるための題材や指導方法の開発の手法を提起し、その成果と課題を中学校美術科の指導者に幅広く還元することを目的としている。 平成24年度には、本学附属学校の児童生徒に質問紙による意識調査を実施し,「特定の課題に関する調査(図画工作・美術)」で明らかになった全国の児童生徒の実態と本学附属学校の児童生徒の実態とを比較するとともに、一致点と相違点を明らかにするための分析を進めているところである。また、現段階での「美術科」への価値意識の評定尺度を開発するともに、その測定を試みた。 また、絵画表現能力テスト(村瀬,1985)を本学附属学校の児童生徒に実施し、その調査結果の分析を進めているところである。特に発達上のどの段階に”谷”が見られるのかを,統計的な手法を用いて明らかにしたいと考えている。 教科に対する動機づけ及び価値意識,そして今日的な絵画表現能力の発達の状況を踏まえつつ,それらをより一層高めるための中学校の美術科における題材や指導方法の開発の手法を提起したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本学すべての附属学校を訪問し,図画工作科・美術科担当教員と意見交換・授業観察及び協議を重ねることで,大学からでは見えにくい実践的な教育課題や動機づけ及び価値意識を高めるための方策の視点を得ることができたと考えている。 また,「特定の課題に関する調査(図画工作・美術)」の作成・実施・分析に携わった先生にお会いするとともに研究発表を聞かせていただいたことで,質問紙開発の意図や分析の視点を明確にできたことが有意義であった。 しかし,本学の附属学校への質問紙法による意識調査及び絵画表現能力テストを平成24年度中に実施し終えることはできたが,附属学校の日程および校内事情の関係で調査日程の修正が必要となった。それに伴って,絵画能力表現テストの評定作業及び評定の入力,分析作業日程の修正が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,平成24年度に実施した調査結果の分析を進めており,その分析結果を中軸に据えながら,本学各附属中学校の美術科担当教諭と教科教育に関する意見交換を行うとともに、美術科に対する動機づけ及び価値意識を高めるための題材や指導方法の開発の手法についての議論を深めたいと考えている。それらの活動を充実させたうえで,それぞれの附属中学校に,美術科に対する動機づけ及び価値意識を高めるための題材や指導方法を用いた授業実践を依頼し,2群法を用いてその効果を検証する。実践の際には24年度に実施した意識調査をプレテストとし,実践後にポストテストを実施し、質問紙法で動機づけ及び価値意識を測定する。それぞれの結果を集計し統計的な手法での検証を重ねることで、指導法 の有効性を明らかにすることを目指す。 その一連の流れを汲むことで、生徒の美術科に対する動機づけ及び価値意識が高まる研究にした い。また,本研究の成果を、研究会で報告、出版社より刊行、また、論文・報告書の作成・発表したいと考えている。
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