2013 Fiscal Year Annual Research Report
複数財オークションにおける収益単調性についての研究
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24830004
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
白田 康洋 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (80635110)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | Auction Design / Revenue Monotonicity / Elasticity / Monopoly |
Research Abstract |
今年度はまず,昨年度に引き続き,オークションルール設計に関して理論研究を行った.前年度の研究より,これまで考えられてきた望ましい性質を満たす唯一のルールであるVCGルールは財に関する収益単調性を,限られた場合にのみ満たし,広範囲な場合に満たさないことがわかった. 今年度は,その判明した限られた場合のさらなる特徴付けを行った結果,社会余剰の人数に関する平均値がサブモデュラー性をみたしているときにVCGルールが財に関する収益単調性を満たすことがわかった.さらにオークションに参加する人数が増加するにつれて,このサブモデュラー性が満たされやすくなることも明らかにした. またこの収益単調性の研究が,独占企業の過小供給問題とも関連していることが明らかになった.独占企業は,需要関数の価格弾力性が1未満であるときに過小供給を行い,1より大きいときには行わないことが知られている.今,売り手が収益単調性問題によりオークションに財を戦略的に減らすことを行わないための条件を考えると,それは過小供給問題と同様に見なすことができる.つまり,需要関数の価格弾力性が1を超えるときに,財に関する収益単調性も満たされるということが判明した. 以上2点より,オークションにおいて財に関する収益単調性問題は,十分大きな数の参加者がいれば発生しにくいことがわかった.よって現実に電波等のオークションを行うときには,広範囲に参加を呼びかけることが非常に重要であることが判明した.またこのような問題は産業組織論における独占の弊害についての研究と非常に関連していることがわかったため,本研究がそちらにどのような貢献をできるか今後考えていきたい.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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