2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24830027
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
一小路 武安 東京大学, 経済学研究科(研究院), 助教 (80636390)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 情報技術 / イノベーション / アニメーション / 日中比較 / 技術導入 |
Research Abstract |
組織がイノベーションの導入に成功するメカニズムについて、明らかにすることを目的として、本研究としては平成24年度に以下のようなことを行っている。 まず、アニメーション産業における情報技術の導入について、歴史的に概観し、どのような条件が整うことで情報技術が普及していくのか、産業的・組織的に明らかにした。結果として、情報技術がもたらす品質やもちいるためのコスト、並びに製品戦略が影響を与えることが明らかになった。 また、国家的な違いはあるかという観点から、Flashアニメーション技術を対象に日本の企業と中国の企業の比較を行っている。結果として、Flashという低品質ではあるが低コストでアニメーションを表現できる技術に関しては、中国で導入が進む一方で日本ではまだ十分な普及がなされていないことが明らかになった。 最後に、アニメーション産業において、新技術への受容性が高い個人とはどのような属性を持っているかについて、革新性という個人属性や個人の組織との適合性といった観点から、アンケート調査を基に得られた結果を基に分析を行っている。結果として、新技術の受容に正の影響を与える要因として、個人の革新性だけでなく、組織への信頼性も挙げられることが明らかになった。 以上から明らかなような本年度の研究では、アニメーション産業で働く生産者や産業全体の動きを対象としている。次年度の研究ではアニメーション産業におけるより組織的な動きや生産者と消費者との比較、ないし、消費者自身の動向について研究を進めていくこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本計画課題に関しては、おおむね順調に推移していると考えられる。なぜならば、本年度、目的とされた研究内容については8割程度達成されているからである。 残りの2割に関しては、本年度、達成するはずであった論文の受理に関して一部、査読が長引いていること、研究の計画上行うはずであった研究に関して分析の中で、目的とそぐわないことが判明し、実施をとりやめたことにある。
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Strategy for Future Research Activity |
変更点に関しては、大きく2点ある。1点目は昨年度から続いている論文査読に関して本年度の受理を目指すということである。2点目はイノベーションの受容という観点から行っていた分析について、一部イノベーションの創造という観点からの研究に切り替えるということである。 その他の計画段階で目的としている生産者と消費者の比較やゲーム産業へのインタビューに関しては計画通り遂行していくこととする。
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Research Products
(3 results)