2013 Fiscal Year Annual Research Report
行政行為に対する議会拒否権の憲法学的考察―権力分立論の観点から
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24830041
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
御幸 聖樹 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 助教 (20634009)
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Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
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Keywords | 憲法 / 憲法学 / 公法学 / 権力分立 / 立法権 / 行政権 / 議会拒否権 |
Research Abstract |
本研究は、議会拒否権、すなわち、議会を構成する機関(両院、一院又は委員会等)が立法手続を経ずに執行機関(独立行政委員会を含む。)の行為の効力を決定する権限のうち、行政行為に対する議会拒否権の合憲性について検討したものである。議会は、執行機関の行為を統制することを目的として、法律によって議会を構成する機関に議会拒否権を付与し、議会を構成する機関が執行機関の行為の効力を終局的に決定することを可能にするような仕組みを構築することがある。このような仕組みを導く議会拒否権が無制限に認められるのであれば、議会が執行機関に対し支配的な地位につくことになる。そのため、権力分立上、このような議会拒否権が許容されるかどうかにつき、その対象となる執行機関の行為ごとに分析する必要があると思われるが、本研究では特に行政行為に対する議会拒否権に焦点を当てて検討を行った。 行政行為に対する議会拒否権の合憲性を検討するうえで、行政行為に対する議会拒否権の法的性質を確定することが必要である。行政行為に対する議会拒否権によって議会を構成する機関が特定人の権利・義務又は法律関係を具体的に決定することを立法権と評価するかが問題となるが、この点については個別法律(private act)の制定を立法権の行使として認めるべきかどうかが関わるため、個別法律を認めているイギリスに赴きprivate actの歴史的経緯・使用領域及び法的性質を巡る議論を調査するとともに、同じく個別法律を認めているアメリカにおいて近時、個別法律のあり方が問われたTerry Schiavo事件においてなされた議論を参照し、両国の議論が日本国憲法の議論としてどのような示唆を与えうるかを検討した。 今後、2014年度中にこれらの成果につき研究報告を行うとともに、公表媒体の関係から2015年度中に論文を公表することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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