2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24830048
|
Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
西田 喜平次 兵庫医療大学, 共通教育センター, 講師 (50631652)
|
Project Period (FY) |
2012-08-31 – 2014-03-31
|
Keywords | 医療経済学 / 医療施設間競争 / 空間的競争 / 出来高払い制 / 包括払い制度 / 医師誘発需要仮説 |
Research Abstract |
厚生労働省の実施している医療施設静態調査を見ると,人口10万人あたりの一般診療所数は,1990年の65.4から2010年の79.3と増加しており,わが国の一般診療所間の競争は厳しくなってきていることがわかる. わが国が採用する公的医療保険制度の下では, 診療報酬表によって診療単価が定められているために,一般診療所は価格競争を行うことができないかわりに, 診療密度や医療サービスの質による競争を行っていると考えられる. 他方,診療所の立地に関しては,競合診療所との間の距離制限や開設許可のような競争を制約するような法的規制はないので,医師は原則として自由に診療所の立地場所を決定することができる. 価格競争のできない一般診療所は,立地選択競争も行っていると考えられる. 本研究では, 医療施設同士は, こうした「立地」と「診療密度」による競争を行っているものと仮定した場合, 競争の結果もたらされる診療所の立地と社会的厚生水準はどのような結果になるか, 出来高払い制度と包括払い制度の2制度の場合において, ホテリング流の空間的競争モデルを用いて比較分析を行った. 主要な結果として, 以下の4点が挙げられる. 1.出来高払い制度は包括払い制度と比較して, 診療所の集中立地をもたらす傾向がある. 2.包括払い制度の下では, 医療過疎地域の診療報酬を過密地域より高く設定しても, 医療施設の立地を過疎地に誘導することは難しい. 3.出来高払い制度の下で, 医療過疎地域と過密地域の間に診療報酬の格差を設定することによって, 過疎地に医療施設を誘導する場合でも, その格差は最低でも1.8倍に設定しなければならない. 4.診療報酬を高く設定しても, 医療サービス消費者の厚生水準を高め得る場合がある.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|